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イベントの定義からオンラインイベントを考えてみた話

エンタメのチカラ

エンタメのチカラ  ■レジリア 代表 西 高一郎

前回、前々回に続いてオンライン配信イベントに関する話です。単にオンラインイベント用として、これをやればOKということでなくて、考え方の基本をここにおくことが大切ですよ。という感じです。いろんなオンラインコミュニケーションの場において使える考え方で、“オンラインは手段でなく場所ですよ“にも通じることなので、過去回とセットで覚えておくと役に立つと思います。

そもそもイベントにはいくつかの定義があって、簡単にまとめると「主催の目的達成のために特定の期間と場所で、対象となる人々に刺激(情報)を提供し、相互に意味のある空間と時間を共有するもの」というものがあります。(厳密にはもっといろんな角度からの定義や用件があります)
リアルイベントは会場の入口をくぐる瞬間から、視覚、聴覚、嗅覚、肌感覚、全ての感覚が同じ空間を共有しているので全体の意識を一つに向かわせることができるのですが、オンラインはログインした瞬間を会場入場とすると誰一人同じ空間にいないことを前提に考えておかないといけません。オンラインって相手の温度感が非常に掴みづらい上に全体を一つと捉えるにはあまりにバリエーション数が多すぎます。

例えばイヤホンして電車の中。自宅のデスクトップでスピーカー。大勢でスクリーンに投射されたものを映画のように。。さらに手元にコーヒーを持つ人、カレーを食べながら動画を見る人など、香り、匂いなどその状況は多種多様です。
同じイベントに参加しているはずなのに全く違う環境から参加していることがよくわかります。

オンライン配信の演出を考える際、この参加者ごとに異なる参加環境(視聴環境)も踏まえて演出を考えないといけないんですね。
どうやら、リアル空間におけるライブ感とオンライン環境におけるライブ感の作り方は根本的に異なるんだということを踏まえて設計しないといけないということが見えてくるはずです。

じゃあどこにフォーカスすると良いのか?
エンタメでもビジネスでも、1対1コミュニケーションでない以上、その状態を認識した演出を考え切れているかがとても重要ですよという話でした。

最近ちょっとだけその入り口が見えてきたので、今は色々と試しているところです。オンライン、まだまだ奥が深いです。
自身で配信している方はぜひ探ってみてください。

エンタメのチカラ  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.129(2022年3月号)

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プロフィール

西 高一郎(にし こういちろう) 
レジリア 代表
1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して、九州内外から依頼を受ける。

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