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記憶を作るエンタメの話

エンタメのチカラ

エンタメのチカラ  ■レジリア 代表 西 高一郎

ちょうど今サミットの現場に来ています。熊本県で開かれている第4回アジア・太平洋水サミットという中々大きな現場です。ここでは期間中、各国から世界の水問題にについてたくさんの議論が交わされています。

さて、ここでちょっと思い出して欲しいことがあります。皆さんの記憶には“小さいころのちょっとした、でもなぜか思い出す楽しかったり大切な瞬間の記憶”というのがありませんか?おそらく1つ位はあるんじゃないかなと思います。
僕のやっていることは、そんな感じで自分が知らないうちに、知らない誰かの果てしなく貴重な一瞬(となる可能性の高い場面)に常に接しているということです。これって恐ろしいことに、挨拶や声かけのほんの一瞬ですら思い出のきっかけになったりするんで、ある意味本当にヤバいです。
自分の記憶辿るとそんなもんだと思いませんか。

なので、待機列を整理する時もステージ上で何かの場面を作る時も、音量や会場の明るさ、温度を決める時も全ての場面にその可能性があります。当初の目的を果たしつつ、その空間に来てくれた人に何か記憶のきっかけになるかもしれない可能性は忘れちゃいけないことだと思います。

そんなこんなで、本題です。今回のサミットの中には、現役の高校生がこれまでの活動やこれからどうすべきか等を発表するプログラムがあり、それはそれは素敵な空間でした。
発表を終え、みんなで記念写真を撮ろうということになり皆が集合した時、スタッフの一人が周りに見(応援)に来ていたお客さんも巻き込んで「みんなで撮りましょう!」声をかけ、皆で一緒に撮影をしたわけですが、年配の方が「この子たちを小さい頃から見てきている。こんな立派な場所で頑張っている姿を見て一緒に写真に写れてこんなに嬉しいことはない」とのこと。

この日撮った1枚は、もしかしたらこの先、彼らの時間の中で記憶に残り、時には誰かの背中を押したり、辛い時の支えになるのかもと思った次第です。
ちなみに今回のシーンが生まれた決め手は、「皆さんで!」を発した方の一言が生んだと思いました。
どんな職種でも誰かの記憶に刻まれる瞬間と接している。その一瞬は、誰かの一生の心の支えになるチカラを持つ可能性がある。

じゃあ、どうする?ご自身の仕事の中でそんなことを考えてみるのも結構面白いですよ。サミット会場で、積み上げてきたことを表現できる場所にたどり着いた高校生を目にして改めて感じたのでした。

エンタメのチカラ  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.131(2022年5月号)

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プロフィール

西 高一郎(にし こういちろう) 
レジリア 代表
1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して、九州内外から依頼を受ける。

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