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次世代のイベントの考え方

エンタメのチカラ

エンタメのチカラ⇒失敗しないイベントの作り方  ■レジリア 代表 西 高一郎

前回、未来の安全の面からご紹介しました。今回は、イベントの作り方そのものへ、考えていることをご紹介します。

そもそもは「目指せ三密!」くらいの勢いで、内容を精査し、告知をかけて集客し、会場を賑やかしてきました。会場には沢山の仕掛けやアイディアを詰め込み参加者・来場者は主催側が知恵を絞ったイベント内容を楽しむ。これが従来のイベントの典型的なひとパターンです。今回生まれた非3密という前提は、イベント業界にとっては存在自体を危ぶまれる内容で、生き残る為に変化して対応するプランを用意しておく必要があります。

冒頭の通り、しっかり練り込んで作りこまれた場所にお客様を迎えていたのが従来のイベントに対し、全く逆の発送でアプローチします。主催、参加希望者、来場希望者この三者で一緒に作り上げていく視点でイベントを組み上げるという視点です。
具体的な方法へのキーワードは「オンライン」です。オンラインでは視覚、聴覚を使うコミュニケーション体験はすべてです。見る、聞く、話すの3つが可能です。不可能なのは、それ以外の触覚と嗅覚です。
もうひとつのキーワードは「やりながら考える」です。元来イベントは主催者が作り上げた世界観の中で参加者や来場者がそれぞれの目的を達成する為に活動します。言い換えると出来上がっているものを楽しみにきている。
例えるならレストランでの料理みたいなイメージです。これを、最終ゴール「美味しい料理を食べる」ということだけを決めておき、何を食べるか、どんな食材を使うか、どう調理をするか迄参加者も一緒になって決定し、皆で実行する。
キャンプなどでお馴染みのバーベキューなどのイメージです。単においしい物を食べたければレストランに行けば良い。しかし「楽しむことが目的」であればどうでしょう。必ずしも高級レストランへ行く必要はありません。
仲間とワイワイやりながら焦げた野菜やお肉、埃の舞う中での食事が何故か人生最高に楽しかったことになる可能性もあります。

オンラインは視覚、聴覚を使うコミュニケーションは得意分野なので、これらを活用したオンライン上での参加型の特性をいかしつつ全体のゴールを目指す。全体を物語にとらえ、参加者・来場者自身が物語の参加者としていっしょにイベント後を作り上げていくストーリーを要しておくと良いでしょう。
オンラインの形式を活用する方法は、イベントごとに異なりますが、単にホームページで告知して、イメージ映像を見せるだけではありません。その他の活用方法を生み出す必要があります。

原稿を書いている5月末現在、世の中は少しずつ動き出し始め、日常へむかっている感があります。しかし万が一、第2波、3波が起きた場合、過去と同じやり方だけだとまた全てが止まってしまします。その時は今オンラインの活用方法を検討したものだけが、スタンスを変えてイベントの継続が可能になります。
まだまだオンラインではリアルでのイベントに追いつけない部分が非常に多くあります。
しかしながらその反面オンライン技術による、時間と距離の壁をなくした双方向コミュニケーションが可能だという圧倒的なメリットがあります。

新しい技術を活用した新しいイベントの形を作ることは、万一に備えた、失敗しないためのイベント作りの大切なノウハウですね。

エンタメのチカラ⇒失敗しないイベントの作り方  
Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.108(2020年6月号)

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プロフィール

西 高一郎(にし こういちろう) 
レジリア 代表

1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して、九州内外から依頼を受ける。

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