経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

成功者には無邪気な人が多い

当世ビジネス芯話

当世ビジネス芯話  ■編集人 宇野 秀史

これまで、多くの経営者と取材などを通して接してきた。極端ではあるが、会社や組織のリーダーで成功する(している)と思われる人と成功を納めるのは難しいだろうと感じる人の2タイプに分けると、両者を分ける大きな要素は「運」と「無邪気さ」であると思うようになった。

前者のタイプに話を聞くと、「運が良かった」という言葉を口にされる機会が多い。謙遜して言っているのかもしれないが、そうとばかりも言えない。絶体絶命といえるところまで追い詰めれた人が、奇跡と思える幸運な機会を得て大きな成功を手に入れたという話は枚挙にいとまがない。我々の人生は、目に見えない力に影響を受けているということを否定できないようだ。

幸運が目の前を通り過ぎる時、それを見つけるために勘を研ぎ澄まし、幸運を捕まえ、使えるだけの実力を蓄えるなど、普段からの努力は必要である。幸運を引き寄せ手に入れるためには、前向きな考え方や言葉遣い、行動などが有効だといわれる。後ろ向きの思考や言葉使い、行動は幸運を遠ざけることには有効だが、幸運からは敬遠される。幸運を手に入れるためには、それが目の前に現れなければならない。前向きな思考や対応、感謝する心は運をこちらに引き寄せる力になるが、その引き寄せるきっかけを作ってくれるものの一つが「無邪気さ」であるといわれる。確かに、その通りだと思う。

無邪気な人というと、子供っぽいというイメージが先行するが、邪気の無い人は、自分の好きな事や何をすれば楽しいかということを理解しており、他人の評価や批判に対して頓着しない。当然、前向きな思考と言葉、積極的な行動ができる。論語では「これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如(し)かず」と表現している。成功した、或いは、成功するだろうと思わせる人からは、年齢を問わず純粋に好きな物を楽しんでいると感じることが多い。それは、無邪気さの一部でもあるようだ。

こうしたことは、非科学的だとして特別なことのような扱いを受けてきた。しかし、近年の物理学における量子論では、すべてのものは波動(エネルギー)であり、近い波動を持つ者が惹きつけ合うということが解き明かされるようになってきた。すべて物もが波動であるとすれば、考え方や言葉の使い方、思いの抱き方などによって、良い波動の中に身を置くことができるし、同じように良い波動を持った人や事、物を引き寄せることが起きても不思議ではない。それを、大人の事情や損得を超えた無邪気さを持ち続ける人が、自分が望む波動を出すことができるのだとうと思う。無邪気さと幸運の関係が科学的に説明できる日も遠くないかもしれない。

当世ビジネス芯話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.149(2023年11月号)

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プロフィール

宇野 秀史(うの ひでふみ)  ビス・ナビ編集人
昭和40年5月生まれ、熊本県出身。熊本県立第二高校、京都産業大学経営学部卒。出版社勤務を経て、独立。2017年7月、月刊ビジネス情報誌「Bis・Navi(ビス・ナビ)」を創刊。株式会社ビジネス・コミュニケーション代表取締役。歴史の知恵、偉人や経営者が残した知恵を綴り、経営者の知恵を後継者に伝える活動を行う。
近年は、田中家をテーマに研究を行い「田中家研究家」を自任。

著書
『トップの資質』(梓書院、共著)、『田中吉政』(梓書院、解説)、
田中の田中による田中のための本 第1巻 『田中の田中による田中のための本 第2巻』(梓書院)

URL https://www.chie-up.com

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