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怒りへの対処法を身に付けたい

当世ビジネス芯話

当世ビジネス芯話  ■編集人 宇野 秀史

新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛要請に従い、大半の人が行動を規制されることとなった。その間、ストレスを発散できずに体調を崩したり、感情のコントロールが上手くできずに、ちょっとしたことに怒りを爆発させるということを見聞きした。

怒りの原因は、欲求が満たされない、権利が侵害されたなど様々だが、怒りは生後数か月の赤ん坊でも抱く自然な感情ではある。人は、刺激に対して怒りを覚えるが、その刺激だけが怒りを誘発しているのではなく、他の要因も関係しているといわれる。同じ刺激を受けているのに怒りの感情が出る時と出ない時があるし、人によってもそれは異なる。重要なのは、刺激をどう受け取るかのようだ。

怒りの感情は、人間が生きていく上で欠かせないものだが、対処の仕方や表現の仕方については、学んでおきたいものである。怒りの感情を抱いたからといって、好き勝手に誰かを批判したり暴力をふるったりしていては、円滑に社会生活を営むことができなくなるだろう。通信技術が発達してスマホなどモバイル端末を使って、いつでも自分の意見を発信することができるようになった。それ自体は、画期的で素晴らしいことである。しかし、直接会ってもいない、直接問題に関わってもいない第三者がSNSなどで他人を誹謗中傷することが大きな社会問題になっている。

本当に怒るべきものに対しての非難は当然だが、些細な事や内容をよく理解せずに、他人の意見に同調して直接面識もない人を非難するのは、ただのいじめのとして映らない。それも、自分よりも弱い立場に置かれているような人を避難するのは、大人がやることではない。言葉は人の心にダメージを与える。破壊することもできる。最悪の場合、死に至らしめる事すらある。注意して使っていただきたいものだ。我々の上の世代は、人の間違いや失敗に対してもっと寛容だったように記憶しているが、読者の皆さんはどう感じておられるのだろうか。

最近は怒りをコントロールするための六秒ルールなどが紹介され、怒りへの対処法が知られるようになった。怒りへの対処法として、私自身が有効だと感じているのが、様々な怒りの場面を想定して、それに対する対処法を事前に用意することだ。言葉で表現しても良いし、行動で対処しても良い。ポイントは、刺激を受けた際に、自分なりの対処法を用意しておけば、怒りを回避することができるケースが増えるということである。

日々の生活やビジネスでは、怒りを覚える場面は幾らでもある。そうした怒りの中で、本当に怒る必要のあるものは意外と少ないものだ。その都度、怒りを爆発させ、後で自己嫌悪に陥るよりも、予め用意しておいた対処法で怒りを回避することが自分の精神状態を健康に保つことにもつながると考える。

当世ビジネス芯話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.109(2020年7月号)

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プロフィール

宇野 秀史(うの ひでふみ) 
ビス・ナビ編集人

昭和40年5月生まれ、熊本県出身。熊本県立第二高校、京都産業大学経営学部卒。出版社勤務を経て、独立。2017年7月、月刊ビジネス情報誌「Bis・Navi(ビス・ナビ)」を創刊。株式会社ビジネス・コミュニケーション代表取締役。歴史の知恵、偉人や経営者が残した知恵を綴る。また、経営者の知恵を後継者に伝える、知恵の伝承にも取り組む。

著書:『トップの資質』(梓書院、共著)、『田中吉政』(梓書院、解説)

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