経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

地域に根差した文化づくりを!

当世ビジネス芯話

当世ビジネス芯話  ■編集人 宇野 秀史

『豆腐百珍』を再現したレシピ本を入手した。『豆腐百珍』は、江戸時代に豆腐を題材に様々な工夫を凝らし100品ものレシピを掲載した本である。豆腐料理を「尋常品」「通品」「佳品」「奇品」「妙品」「絶品」の六段階に分類、評価しているところから興味を覚える。料理は、田楽や焼き豆腐など馴染みのものから、見た目に美しい豆腐、意表を突いた豆腐など様々。豆腐を細く切って、それを結びお吸物の具にしているものもあれば、うどんに見立てた豆腐料理など、見ているだけでも楽しめる。庶民が口にできる食材で考案しているところも大衆の支持を集めたのであろう。

本を書いたのは料理人ではないようだが、『豆腐百珍』はベストセラーとなった。『豆腐百珍』が当たったことに触発されたのか、2匹目のドジョウを狙ったのか、「百珍」ものといわれる『大根百珍』や『甘藷百珍』『卵百珍』『鯛百珍』なども現れた。今日のように物資が豊富な時代ではないにもかかわらず、限られた条件の下で工夫を凝らし、豊かな食文化に貢献していることに驚くばかりだ。
江戸時代は様々な文化が花開いた。文化度の向上は、経済の発展にも寄与するはずである。福岡は、アジアの玄関口としての立地や九州の商都として食や芸能、スポーツ、織物、陶芸など様々な文化が発展してきた。

新型コロナウイルス問題で飲食店をはじめ、多くの企業が活動を制限されている。こういう時だからこそ、文化として定着するモノを考えてはどうだろうか。文化として地域に根付くためには、一社や一店舗だけの努力ではなかなか難しい。同業者や協力者を巻き込んで活動を運動にまで高める必要があるし、地域の理解や協力も不可欠であると考える。
苦しい時こそ工夫が生まれる機会と捉え、企業や店同士が協力して福岡、九州の新しい文化づくりに取り組んでもらいたいと願っている。

当世ビジネス芯話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.120(2021年6月号)

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プロフィール

宇野 秀史(うの ひでふみ) 
ビス・ナビ編集人

昭和40年5月生まれ、熊本県出身。熊本県立第二高校、京都産業大学経営学部卒。出版社勤務を経て、独立。2017年7月、月刊ビジネス情報誌「Bis・Navi(ビス・ナビ)」を創刊。株式会社ビジネス・コミュニケーション代表取締役。歴史の知恵、偉人や経営者が残した知恵を綴る。また、経営者の知恵を後継者に伝える、知恵の伝承にも取り組む。

著書:『トップの資質』(梓書院、共著)、『田中吉政』(梓書院、解説)

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