じゃんじゃん獲得するホームページの作り方
■㈱ワイコム・パブリッシングシステムズ社長 田上恭由氏
この記事の読者さんに、トップページの見た目についてのご質問です。「シンプルでかっこいい」サイトと、「文字や写真、ボタンが多く、ごちゃごちゃしている」サイトは、どちらの問合せが多いでしょうか?
実は、シンプルでかっこいいホームページを作ると、集客はほぼ失敗します。なぜそうなのかを考えてみたいと思います。
20年ほど前、ある貸衣装店のホームページのご依頼をいただきました。結婚情報誌の広告を見た方がホームページを見てからお問い合わせする肩を増やすためでした。サービス内容や他社との違いがわかりやすい、文字もボタンも多数ある、情報が豊富にあり、一発でどのページにも飛べるようにした、問い合わせにつながるデザインをご提案いたしました。すると、「デザインがダサい」とのご意見で却下され、シンプルでかっこよくとのご指示で、作り直して公開しました。
ところが社長から「電話が鳴らなくなった! どうしてくれるの!」とお怒りのお電話が。当初ご提案のものに急遽差し替えると、以前の3倍に電話が増えました。
デザインがシンプルで優れていると、問い合わせは入らない!?
なぜ、シンプルでかっこいいトップページは、問い合わせが入らないのでしょうか。
では、ホームページの閲覧者の気持ちに立って考えてみましょう。
閲覧者は、買う気満々で検索をして、どこから買うのが一番良いのかを比較して決めようとしています。検索で10件リストされたら、ぱっぱと素早く、トップページだけで判断します。
先ほどの貸衣装店の広告を見た方が求めているものは、もうお判りですよね。そう、「詳しい情報」です。どちらも最初に見るのはトップページです。「シンプルでかっこいい」と情報量が少ないため、せっかく自分の時間と費用を使って見に来たのに『がっかり』させてしまいます。中面ページに詳細な情報があったとしても、そのことはトップページを見ただけではわからないので、情報が豊富に掲載されているサイトに行かれてしまうのです。
サイトの情報が豊富であることを瞬時にわかっていただけて、初めて比較のまな板に載せてもらえるのです。
IT時代に乗り遅れるな Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.143(2023年5月号)
プロフィール
田上 恭由(たがみ やすゆき)
㈱ワイコム・パブリッシングシステムズ 代表取締役
「ふくおか経済」記者・営業、中古車情報誌編集者、システム開発者を経て、平成9年個人創業、翌年法人成りして現職に。上級ウェブ解析士、採用定着士。小規模事業者のウェブサイト構築実績は七百件以上。顧客獲得や採用の課題を解決する手法に定評がある。IT導入補助支援事業者、認定支援機関として、補助金獲得実績も多数。
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