問い合わせをじゃんじゃん獲得するホームページの作り方
■㈱ワイコム・パブリッシングシステムズ社長 田上恭由
豊富な情報を得てから、慎重に判断をする現代の消費・調達行動
商品を探している、買う気満々の人は、その商品に関して、できるだけ詳しくなって。すべてを自分で判断してから問い合わせをします。
ということは、詳しい情報を載せておくと、全部読んでいただけるということ。逆にいえば、情報が足りないと離脱してしまうということです。
他のサイトも含めて全部読んで、ここが一番だなと思ったところに、電話をします。多くても3件まででしょう。
ホームページのご相談で、予算を抑えるため、「ページ数できるだけ少なく、簡単でいいから」とおっしゃるケースがありますが、ページ数が少ないと、情報量が多い同業他社にお客様は逃げてしまいます。
情報量が多い会社が、結局勝つのです。
問い合わせをする人は7~20分閲覧している
ホームページの閲覧状況の分析で多く使われている「グーグルアナリティクス」という分析ツールを使うと、問い合わせに至る行動が分かります。
1サイト内における1セッション(=1回の接続)あたりの平均滞在時間は、多くの場合1~3分程度。その中から、問い合わせにつながったセッションだけで計測すると、7分~20分と、差が6倍以上開いています。
これは、そのサイトのほぼ全体の情報をくまなく読んでから問い合わせをしている、ということにほかなりません。読むのに20分以上かかるくらいの分量が必要なのです。
買うことは決まっている。どこから買うかだけが決まっていない
商品を購入したいと思っている人は、どこから買うのかだけが決まっていない、ということがほとんどです。できるだけ条件のいいところで買いたい、と思って情報を集めています。
条件とは、納期、品質、サポート体制、価格、そして好感度です。アマゾンのように有名であれば別ですが、私達無名な中小零細企業は、選んでもらうための情報を、豊富に掲載することが重要なのです。
初めての見込み客からお問い合わせいただくためには、10ページでは足りず、少なくとも30ページ以上にしましょう。私の知っているある例では、20年近くを掛けて1万ページ、なんてところもあります。社員数40人くらいの中小企業です…。同業他社がチラシを撒いても電話が鳴るくらい強力です。
同様に、5年、10年と時間を掛けて、社員全員で協力しあって地道にページを増やしている会社は、問い合わせを獲得し続けています。
IT時代に乗り遅れるな Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.131(2022年5月号)
プロフィール
田上 恭由(たがみ やすゆき)
㈱ワイコム・パブリッシングシステムズ 代表取締役
「ふくおか経済」記者・営業、中古車情報誌編集者、システム開発者を経て、平成9年個人創業、翌年法人成りして現職に。上級ウェブ解析士、採用定着士。小規模事業者のウェブサイト構築実績は七百件以上。顧客獲得や採用の課題を解決する手法に定評がある。IT導入補助支援事業者、認定支援機関として、補助金獲得実績も多数。
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