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偉い人ってどんな人?

当世ビジネス芯話

当世ビジネス芯話  ■編集人 宇野 秀史

昔はよく大人が子供に「将来は偉い人になりなさい」といい聞かせていたのを思い出す。学業に秀でた子供を嘱望する表現として「末は博士か大臣か」という言葉も流行っていた。学歴偏重時代の遺産だったのか、最近はそうしたシーンに出くわすことはなくなったが。
それでも、「偉い先生」とか「うちの偉いさんが」などという言を、いまだに耳にする。「偉い」を辞書で引いてみると、「社会的に地位や身分が高いこと」「経歴や才能が優れていること」などと表記している。確かに、そういう意味で使われていることは多いように思う。言葉通りに受け取ると、政治家や官僚、経営者、学者などはみな偉いことにもなる。

偉いという言葉に我々が期待するニュアンスと、実際に身の回りで使われているそれにギャップがあるように感じてしまうのは小生だけだろうか。気にしすぎかもしれないが、もう少し定義を見直した方が良いように思う。
小生が「偉い人」という言葉を使う場合は、
①社会的地位や身分の高さではなく、どれだけ多くの人を幸せにしたか(しているか)
②自分よりも立場の弱い人にどれだけ親切にしたか(しているか)
の2つに絞るように心がけている。

社会的地位や身分が高いといわれる人たちは、収入も高い。収入が高いのは良いことだが、手にしたお金をどのようなものに使うかで人の評価も変わる。松下幸之助氏はかつて「金は使うことの方が難しい」という言葉を残した。

企業の優劣を表す指標として重視されてきたのは、売上高や利益率だった。しかし、今は、従業員満足度や環境への配慮、マイノリティの尊重など、人や環境といかに寄り添える企業であるかが重要な評価ポイントになった。どれほど売上を上げようとも、人々から支持されない会社は衰退する。そのような会社は、「偉い会社」ではないし、その会社を率いる社長も「偉い人」ではない。  皆さんはどうお考えだろうか。

当世ビジネス芯話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.134(2022年8月号)

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プロフィール

宇野 秀史(うの ひでふみ) 
ビス・ナビ編集人
昭和40年5月生まれ、熊本県出身。熊本県立第二高校、京都産業大学経営学部卒。出版社勤務を経て、独立。2017年7月、月刊ビジネス情報誌「Bis・Navi(ビス・ナビ)」を創刊。株式会社ビジネス・コミュニケーション代表取締役。歴史の知恵、偉人や経営者が残した知恵を綴る。また、経営者の知恵を後継者に伝える、知恵の伝承にも取り組む。

著書:『トップの資質』(梓書院、共著)、『田中吉政』(梓書院、解説)

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