経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

従業員の能力を抑え込んでいませんか?

当世ビジネス芯話

当世ビジネス芯話  ■編集人 宇野 秀史

多くの中小企業が人手不足で悩んでいる。労働人口は今後も減少を続けるだろうから、人材の確保は企業にとって死活問題となる。そのため、人を採用するために賃金を上げ、人が辞めないように職場環境の改善を図り、教育を施すといった努力を続けている。
確かに、待遇改善や職場環境をよくすることで従業員の働く意欲がわき、生産性の向上にもつながるであろう。離職率が高い会社は、長期的にみると人材が育たないことで様々な知恵や技術、ノウハウが蓄積されないから良い仕組みや環境づくりは組織を保つための重要事項であると思われる。

こうした取り組みと併せて必要になるのは、適材適所の追求ではないかと考える。経済がグローバルに拡大するとともに複雑化、スピード化している今日、組織として最大の成果を上げるためには、各人が持つ最大の力をいかに発揮させるかに目を向けるべきではなかろうか。

人がいないからといって、対人関係が苦手な人に営業や交渉役をやらせていないだろうか。それは、料理人に外科手術をしろというようなものだろう。そして、上手くできないからといって、責めていないだろうか。そうだとしたら、従業員は力を発揮できないし、やる気にもなれずに辞めていく。その繰り返しを続けていては組織の明るい未来は描けない。
だから、従業員ひとり一人の性格や特性、能力を把握し適材適所の人事を行うことが大事だ。それには、人を見る力とそのための指標となるものが必要になる。これなければ、何の仕事をさせれば良いのか、どのようなサポートをすればよいかが見つからない。

戦国時代最強と称された武田軍団を率いる武田信玄は、人づかいもうまかった。信玄は、よく若者を集めて戦場などでの経験談を話して聞かせていたが、その際の様子を見て人物の特性を推し量り、どのような仕事をさせるべきか。また、その人物の特性に合わせてどのように育てれば良いのかを説いている。
信玄の人の見方については、現代の企業経営にも通じるものがあるので、次号にて紹介したい。

当世ビジネス芯話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.128(2022年2月号)

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プロフィール

宇野 秀史(うの ひでふみ) 
ビス・ナビ編集人
昭和40年5月生まれ、熊本県出身。熊本県立第二高校、京都産業大学経営学部卒。出版社勤務を経て、独立。2017年7月、月刊ビジネス情報誌「Bis・Navi(ビス・ナビ)」を創刊。株式会社ビジネス・コミュニケーション代表取締役。歴史の知恵、偉人や経営者が残した知恵を綴る。また、経営者の知恵を後継者に伝える、知恵の伝承にも取り組む。

著書:『トップの資質』(梓書院、共著)、『田中吉政』(梓書院、解説)

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