経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

「~させていただきます」の使い方をそろそろ見直しませんか

当世ビジネス芯話

当世ビジネス芯話  ■編集人 宇野 秀史

言葉は、その時代や世代によって捉え方や使い方も変化する。それでも、気になって仕方がない言葉がある。その筆頭が「~させていただきます」だ。TV画面に映るアナウンサーや政治家など、言葉を選んで適切な表現を求められる人たちが、平気で「~させていただきます(いただいています)」を連発している。違和感を覚えるだけでなく、おもわずTVに向かって突っ込みたくなう。

自分の受け止め方がおかしいのかと心配になり、ネットで検査してみると、自分と同じように感じる人はいた。しかし、あまり違和感を持たない人も多い。それで、改めて意味を調べてみると、「させていただく」には相手に許しを請い、さらに、敬意を払うことと説明されている。「本日中に企画書を送らせていただきます」や「担当が変わったので、ご挨拶まわりをさせていただいております」などと言っている人は、いったい誰に許可をもらわなければならないのだろうかと首を傾げたくなる。「企画書を送ります」「回っています」でよいと思うのだが。

「させていただく」は非常に丁寧な表現である。しかし、あまりに多用されると慇懃無礼にとられることもある。「自信がない」「言葉を知らない」と思われるかもしれない。アナウンサーや政治家がこのような印象を持たれたら、大きなマイナスになるのではないかと心配になる。従業員を導き、対外的な顔となる経営者も同じである。印象だけの問題では済まないかもしれない。「やばい」と同じように、幾つものことを一つの言葉でまとめてしまうと、微妙なニュアンスが伝えられなくなるばかりか、語彙力の低下は想像力にも影響を与えてしまう。

同じ言葉や表現は、いつしか習慣になる。意識することなく、日常の会話や公的な場での発言で繰り返し使ってしまう。良い使い方が習慣化できればいいが、発する言葉は自分自身を縛ることもあるため、状況や目的に合った正しい言葉を使うよう心掛けたいものである。

当世ビジネス芯話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.135(2022年9月号)

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プロフィール

宇野 秀史(うの ひでふみ) 
ビス・ナビ編集人
昭和40年5月生まれ、熊本県出身。熊本県立第二高校、京都産業大学経営学部卒。出版社勤務を経て、独立。2017年7月、月刊ビジネス情報誌「Bis・Navi(ビス・ナビ)」を創刊。株式会社ビジネス・コミュニケーション代表取締役。歴史の知恵、偉人や経営者が残した知恵を綴る。また、経営者の知恵を後継者に伝える、知恵の伝承にも取り組む。

著書:『トップの資質』(梓書院、共著)、『田中吉政』(梓書院、解説)

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