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権利証をなくしてしまったら

談話室 五三の桐

談話室 五三の桐  ■江上慎也司法書士事務所 所長 江上 慎也

不動産を売買や相続などで取得し、所有権移転登記を申請すると法務局から「登記識別情報」が発行されます。また、以前であれば「登記済証」が発行されていました。これらは一般的に「権利証」と呼ばれます。

その権利証を紛失したり、誤って捨ててしまったというお客様より「権利証は再発行できますか?」というご相談を受けることがあります。答えは「NO」です。残念ながら権利証を再発行するという制度はありません。では、不動産を売買する際や銀行から融資を受けて担保に入れる際に権利証が無い場合はどうすればいいのでしょうか。

原則は当該登記を申請した後に法務局より所有者への確認の書類が郵送され、それに所有者の実印を押印して送り返すことにより登記を受け付けるという手続きをとります。これを「事前通知制度」といいます。しかしこれでは登記の完了まで時間がかかりますし、所有者が法務局から送られてきた確認書類を返送しなかったり郵送の途中で紛失した結果法務局に届かず、登記そのものが却下されてしまうというリスクがあります。そのため売買や融資が関係してくる場合はこの手段はほとんどとられません。

実際には登記を申請する司法書士が所有者本人と直接面談し、いろいろな調査をしたうえで所有者本人に間違いないという「本人確認情報」という書類を作成し、これを権利証の代わりとする手続きをとることがほとんどです。ただし本人確認情報を作成すると別途作成費用がかかりますので、いずれにせよ権利証は大切に保管されることをお勧めします。

「談話室 五三の桐」 Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.128(2022年2月号)

プロフィール

司法書士江上慎也事務所 所長 江上 慎也(えがみ しんや) 

昭和50年、福岡県生まれ。福岡県立明善高等学校、九州大学法学部卒業
平成10年、司法書士試験合格。約20年間福岡市内の司法書士事務所に勤務。
平成30年、司法書士江上慎也事務所開業。
趣味は登山・キャンプ、楽しくお酒を飲むこと、映画鑑賞や博物館めぐりです。
小学校の親父の会等の地域のPTA活動にも参加しています。

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