経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

プロセスエコノミーとキャラクター経済を考える

エンタメのチカラ

エンタメのチカラ  ■レジリア 代表 西 高一郎

プロセスエコノミー、キャラクター経済という言葉をご存知ですか。ネット界隈の一部では時折このワードが出てきます。ちなみに、ネットの世界は普段使いに最適化された情報表示がなされているので、知らない人は全く知らなくて当たり前です。問題なしです。

さて、プロセスエコノミーについてですが、僕的には「商品、サービスを完成品として提供、販売するのでなく、開発段階や制作段階を共有することでそのモノやサービスが生まれたプロセス(それの歴史や込められた思い、リリースまでの紆余曲折、形になるまでの物語そのもの)を販売すること」と表現しています。従来の「モノ売り」でなく「コト売り」。機能的価値と情緒的価値と言った表現をする方もいらっしゃいます。
エンタメの世界での例を使って劇的に簡単に説明しますね。
・めっちゃめちゃ良い映画をタダで見せて、その映画のメイキング(裏側)を有料販売する
・コンサートのリハーサル風景(練習風景)を有料で見学させる
などがそれにあたります。この辺って従来は正規品のおまけや特典的に存在していますね。
従来のおまけ的価値の扱いの流れを逆からデザインして、製作過程そのものを意図的にマネタイズする流れを組んだものがプロセスエコノミーの基本的考え方になります。

実はもう1つ大切なことがあります。なぜプロセスエコノミーの視点が必要なのかという点です。お気づきの通り、世の中はデジタル社会として目覚ましく進化していますよね。(世界的には遅れをとっていることはおいといて)
デジタル化のメリットは超高速処理で便利、効率的、この辺なわけでその先には
・完成品は簡単にコピーされるよ
・その中には精魂込めて費やした時間も、積み上げてきたノウハウも全部一瞬でコピーしちゃうね
・なんなら資金は潤沢にあるからクオリティはうちらの方が上かもしれないけどごめんね〜
みたいな未来が余裕で見えてきます。(少なくとも僕はそう考えています)

便利でコスパの良い高性能テクノロジーの恩恵は、既存のサービスやプロダクトが今のままでは差別化が難しい時代に向かうことを提示しています。馴染みのない概念かもしれませんが、前出の例の様にエンタメの世界は新しいビジネスの概念をわかりやすく世間に提示できる。そんなチカラもあるのだと感じます。興味を持たれた方は、是非調べてみてください。
そういえばキャラクター経済に全く触れてなかったようです。そこは紙面都合ということでまたの機会に。。。

エンタメのチカラ  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.119(2021年5月号)

➤ 他の「エンタメのチカラ」記事を読む

プロフィール

西 高一郎(にし こういちろう) 
レジリア 代表

1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して、九州内外から依頼を受ける。

コメント

タイトルとURLをコピーしました