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バリアフリー映画を見て見えてきたとっても大切なこと

エンタメのチカラ

エンタメのチカラ  ■レジリア 代表 西 高一郎

バリアフリー映画とは、映像と音で楽しむ映画という娯楽を、障害の有無に関わらず楽しんでもらえるように字幕や音を補足的に追加した映画のことです。
最も身近なバリアフリー映画としては、日本語以外の外国語(主に英語が多いですね)で作られてた作品を日本語字幕でみる。もしくは日本語吹き替えを見る。字幕付きや吹き替え。これも十分バリアフリー対応の一つではあります
しかし映画の中の描写やそのままの表現では、不足している部分を補う形で、文字や音声で作品鑑賞の手助けをする情報を加えられたものになります。

今回、僕は、当日の上映作品の通常のものを事前に見た上で、現場でバリアフリー版のそれを見る事にしましたが、なんと大変な作業なんでしょう!
作品の流れや演出を壊さず、そしてより正しく内容が伝わるようにと、とどのつまり文字や音声で作品にほぼ直接追加演出を加える作業ということになるんです。

上映後、参加者の一人から次のような感想が出ました。
車椅子というハンディを抱えて数年、バリアフリー上映というものがあることを初めて知り参加した。今回たまたま情報に出会うことができこうして映画鑑賞ができた。各地でそういう取り組みがいろいろある事もしれた。
概ねこんな感じの内容でした。

この一言の裏には、同じように感じたり思ったりする方が必ず他にもいることを意味します。多くの人や団体が、世の中の種々のバリアフリー化を目指し、活動し、発信しているはずです。しかしこの情報がまだまだ全然届いていないという事実とそれを改めて知ることができた事実。これってとても大切なことです。
バリアフリー化を目指した場所や活動をどうすれば伝えられるかを見直していけば、今まで以上に新たに届けられる相手がいるんだという明るい未来を感じました。(従来の活動を全く変えなくても、届け方を見直していけば活動の効果はもっと上がるという事)

どんなに優れた良い活動や作品でもそれ自体が必要な相手に届かなければ作り手の本当の目的は果たせず、生み出された作品自体も浮かばれません。
僕自身は、いわゆる”作り手”とは少し立場は違いますが、エンタメを裏から支える者として、その活動や作品が少しでも届きやすく、伝わりやすくするためにもっともっと、自分の仕事にしっかり向き合っていかなきゃいけないと思わせてもらった現場でした。
多くの人が、モノやサービスを提供し対価を得るという立ち位置にいます。
今一度、生み出すことと同じくらい”届けること”に向き合ってみるのも大切なことですね。


エンタメのチカラ  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.149(2023年11月号)

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プロフィール

西 高一郎(にし こういちろう) 
レジリア 代表
1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して、九州内外から依頼を受ける。

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