経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

はやりの競争戦略

ビジネス徒然草

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

私は仕事柄多くの経営者の皆様にお会いします。これから、新規に開業しようとされている方々にもお会いします。多くのビジネスプランに接しています。そこで感じるのは、競争戦略には流行があることです。経営戦略にもはやりがあるとは思いますが、特に競争戦略には顕著です。

競争戦略とはそもそも競争相手に優位に立つための戦略を言います。ポーターはその方策として、①差別化戦略②低価格戦略③焦点絞り込み戦略の3つをあげてそのどれかで優位に立てなければ企業はやっていけないとしています。②の低価格戦略は一種の価格の差別化戦略とも言えますので、換言すれば①差別化戦略が競争戦略の基本と言えるのでしょう。

今の時代の第1の戦略はサブスク作戦です。今のコロナ禍の時代において安定した業績を出している会社はいわゆる顧客の囲い込み、定額作戦です。例えば、アパート経営なら定価、リピートが成功します。飲食店で通常の経営形態でしたら売り上げが変動収入にすべてがなるため、サブスクとは正反対になると思います。私はユーチューブミュージックを利用していますが、毎月定額で支払っています。このような場合は、利用度に関係なく定額の収入が入ると言えます。
また、利用しなくても基本料が入る電気代、電話代等の公益的ビジネスもサブスクの一つのビジネスと言えるでしょう。このようなサブスク戦略を今のビジネスに取り込むことができないかが考えどころです。多くの業種に取り込めることが可能ではないかと思っています。例えば、飲食店はコロナ禍で苦しいかと思いますが定額会員制で一定額を毎月支払う方には割引をかなりするとか、あるいは、極端ですが毎月定額制で食べ放題にする、と言った方法も考えられます。何かの知恵を出せるかがとても重要ではないかと思います。

第2はプラットフォーム作戦です。ネットを生かしたビジネスに多いと思いますが、何かものを購入する際に一番最初に出てくるサイトにするという作戦です。例えばホテル予約なら「一休」とかレストランなら「食べログ」とか。古くはヤフーや楽天市場もそうだと思います。例えば私たちが家具を買うとしたら、今は家具屋さんを回ってほしい家具を手に入れる流れかと思いますが、世界の素晴らしい家具がネットで紹介されていたらそこで通販も考えられるでしょう。まさにいろいろなパターンでの考えどころと言えます。
このように競争戦略はいつの時代も知恵を出して実行できる人が勝つ流れです。
読者の皆さんはどこまで考えて実行していますか?

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.119(2021年5月号)

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プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表

1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)。

https://anera.or.jp/

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