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現場勘をみがく

エンタメのチカラ

エンタメのチカラ⇒失敗しないイベントの作り方  ■レジリア 代表 西 高一郎

失敗しないためには準備が必要ですよ。というお話は何度させていただいていて、ここでいう準備とは、本番を迎えるにあたっての事前の準備。つまり前もってイベントの中身や段取りを考えたり必要なものを用意したりという準備の話でした。

今回は当日。とりわけ本番が始まっている最中のお話です。イベントの大小に関わらずお客様は目の前で次々とご自身の都合で動きますので、その動きと主催の希望に沿った動きをしてもらえるようにいろんな仕掛けを用意しておくのですが、中々どうして予想外の動きというのが発生します。
その対策として資料やマニュアルを用意しておきますが、文字に起こせないレベルで判断に悩むものが次々と発生しますし、準備の段取りを無視して対応に迫られるものも多数発生します。
この時に大きく助けられるのが「現場勘」。

特別意識していないにも関わらず(とりたてて確認をするまでもなく)、「そろそろあれの準備、確認をしておこう」「このままだと〇〇が発生するから、今のうちに△△しておこう!」「通常は〇〇の流れだが、念のため××に対する指示を出しておこう」「あ!やばい!!!!」など自然と頭に浮かんで行動できるものが多々あります。
日常においてルーティン的にできていることなどがそれにあたります。イベントの世界にも当然そんな感覚がありまして、むしろ普段は意識しないままのもだったりします。

ありがたいことに10月に入り私の本業(イベントの運営やステージの進行業務等)も少しずつですが動き出しました。そしてこれまでと同じ感覚で現場に臨むと、いかにこの「現場勘」に救われていたのかを体感することになったのでした。

使っている資料もイベントの内容も特段変わりないはずが、ちょっとしたところで状況の再確認をおこなったりする自分に気付きます。具体的には、普段は知りたい情報を既に掴んでいて判断していたポイントが、判断のための情報を拾っておらず一手間余計に動いているような感じです。
職種にかかわらずそうした「経験上からなりたっている感覚」というものは存在していて、生まれ持ったセンスとはことなるあくまで後天的なものだと思います。
回数を重ねれば基本だれでも身につけることができるスキルとも思います。

イベントは非日常の空間・時間の中で参加者や来場者に一定の目的を達成してもらうことが必要です。主催の意図にあわせて設定した目に見えないいくつもの分岐点をコントールすることが肝ですね。
行動は日頃の思考に反映されます。無数に存在する相手の状況に合わせた対応を間違うことなく瞬時にひきだせるよう「現場勘」を磨くという意味で、日頃からイベントのことを考える時間を増やしてみはいかがでしょうか。 イベントが本業でない方は、一番根底にある「何のために」「どんなことを」を日頃から何度も考えておくのが役に立つと思います。

エンタメのチカラ⇒失敗しないイベントの作り方  
Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.113(2020年11月号)

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プロフィール

西 高一郎(にし こういちろう) 
レジリア 代表

1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して、九州内外から依頼を受ける。

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