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デジタルネイディブには敵わないという話

エンタメのチカラ

エンタメのチカラ  ■レジリア 代表 西 高一郎

前回オンラインイベントの成否の一つに、リアル空間と同じ考えで臨んだら失敗するよ。ということを書いたのですが、先日関わったイベントでディジタルネイティブの力をリアルに感じるシーンと出くわしました。
「時代の新しい価値は、常に自分より若い世代が生み出している」という事実の話です。ちょっと抽象的な内容になりますが、ジャンルや立場をとわず頭の片隅に持っておいた方が良いことなので今回はそれをシェアしたいなと思います。
コロナウィルスの影響でオンラインコミュニケーションがないと身動きできない環境のせいで、オンラインを活用した手法が加速度的に生み出され生活の中に浸透しました。しかしエンタメ界においては一部を除き今ひとつ上手くいっていないというのが僕の印象です。

今回関わったイベントも“やっぱりリアルイベントの方がよかったよね”という声が出るかも。。。という一抹の不安を拭えてなかったのですが、終えてみて気付かされたのです。参加者の言葉の端々に、人とコミュニケーションをとりながら遊ぶ楽しさを感じたという趣旨の発言がとても多かったのです。
コンテンツ自体も考えて作られたものではありますが、オンライン上ながらコミュニケーションが発生していることそのものが楽しかったというのです。オンラインはコンテンツをつたえる手段ではなく、たとえ画面越しであっても、人が集いリアルタイムに共通の時間を過ごす“場所”だったのだと感じた瞬間でした。

今回のイベントのメインの参加者は小学生。そして彼らを支えながらイベントを進めていたのは高校生を中心としたサポーターと呼ばれるスタッフでした。デジタルの通信環境は生活の中であたりまえのものという感覚の世代です。
振り返りますが、ややもすると自分自身を含め、多くの人は「オンラインでいかにしてリアルを再現するか」に囚われていた感がなかったでしょうか。

インターネットがあって、スマホがあって、仮想空間があって、そうした環境が当たり前の世代が生み出す次世代のエンタメ空間(当然それ以外の色んなサービスも含みます)は、僕らが想像・創造すらできない新しい形でワクワクしたものになるのではないでしょうか。
リアルの場で感じた“オンラインは手段ではなく場所である”というオンラインネイティブ世代の話でした。何かの参考になれば幸いです。

エンタメのチカラ  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.128(2022年2月号)

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プロフィール

西 高一郎(にし こういちろう) 
レジリア 代表
1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して、九州内外から依頼を受ける。

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