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エンタメのチカラ

エンタメのチカラ  ■レジリア 代表 西 高一郎

昨年最後は“一般の方でも色んなエンタメを作って発信できるようになった分、いろいろ気をつける必要がありますね。なので、上手にプロを使いましょう“の話で締めました。
一般の方が作って発信するエンタメは、今年はさらに加速するでしょう。

年明け初めの記事は、今年何かを始める方の参考になればというお話しにしました。お役に立てば嬉しく思います。そんなこんなで、前置き長くなりましたので、まず結論です。
・見えないところにどこまで気を配るか
・起きないことにどれだけ労力を使えるか
この差がクオリティの差を生み、リピーターの差を作る分岐点になります。

もちろん実際はそれほど気を配ってなかったり、微塵も労力をかけていないところもあるんですが、プロはその理由がきっちり明白だったりします。諸々見越した上で力の配分を行なっているため、何のトラブルも起きなかった場合、そこには何かしらの保険をかけていたことすら表に出てこず、スルーしていた箇所と一見同様にしか見えない。というわけです。
仮に何かしらトラブルが発生しても、事象に応じた対策のための裏準備は出来ているので、大きな被害や致命的な事故、トラブルになる前に火消し作業が済んでいる。そんな感じになります。

それと実はもう一つ大切なポイントがあって、このリスクヘッジは、来場者や参加者だけでなく関係するすべての方向に向けて準備されている点です。ややもすると主催者を守るためのリスクヘッジに取られがちですが、実のところ関係するすべてのポジションの整合性の中で考えられています。
中途半端に誰かが犠牲や生贄にされること前提ではないんですよね。

全てがうまくハマる時ばかりではありませんが、基本、全方位良しのスペシャル八方美人作戦です。
エンタメ空間の多くは非日常なのに、そこに集まる人々は“自身の考える当たり前“が展開することが前提です。
中でも絶対条件として安全の担保があります。

どんな演出も事故や事件が起きた瞬間、関係する全員を最悪の現実に引き摺り込みます。些細なルールの設定ミス。人命に関わるほどのオペレーションや設置物のミス設計。表には見えないけどしっかりコストをかけてリスクヘッジを設計できているからこそ安全が担保されてると言えます。
階段前の待機列、電気周りのタコ足配線。看板やテントの固定方法。食品の取り扱い。音響や照明などもあげだすとキリがありません。
日常の当たり前を非日常に溶けこむように存在させるためのリスクヘッジスキル。

2024年、自主開催で何かを行う時は、見えないところの価値もぜひ意識してみて下さい。


エンタメのチカラ  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.151(2024年1月号)

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プロフィール

西 高一郎(にし こういちろう) 
レジリア 代表
1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して、九州内外から依頼を受ける。

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