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リスクの管理責任について

エンタメのチカラ

エンタメのチカラ⇒失敗しないイベントの作り方  ■レジリア 代表 西 高一郎

ご存知の通り、いま世界中のあらゆる場所で人が集まる行為が禁じられています。
そもそもイベントとは、「何かしらの目的の為に人が集まる場所、空間を作ること」であり、
この原稿を書いている2020年4月現在、特殊な事情を除きこれらの行為は一切不可能な状況と言えます。現時点でいつ改善されるのか不明です。

しかし再びイベントが行える時はかならず訪れます。その時、主催であるあなたは今までとは異なる新たな点に配慮したイベントの作り方を行う必要がでてきました。まさに世界中が取り組んでいるコロナウィルスを代表とする感染症への対策です。
今後は主催の責務として、会場全ての人々の間で起こる感染の可能性をできる限りゼロにすることが大変重要なります。
いわゆるイベントにおけるリスクマネジメントの考え方は、

①リスクの回避
リスクの発生用要素をなくすこと

②リスクの移転
リスク発生時の損害負担を他者と分担すること

③リスクの低減
対策を講じて損害を低減させること

④リスクの保有
対策費用と発生時の損害費用負担を比較し敢えてリクスをそのまま残しておくこと

この四つに分類して考えます。今回の場合、
①リスクの回避と③リスクの低減が従来以上に準備と対策を求められるようになるでしょう。
人から人へ感染する感染症の感染ルートは主に次の3つといわれています。

・接触感染(患者への直接接触および患者が触れた物に触れることによって感染)
・飛沫感染(患者の咳やくしゃみなどの飛沫を吸引し感染)
・空気感染(前述の飛沫が空気中に漂うものを吸引して感染)

主催が自ら能動的に着手できることは、
その会場においてこれら主な3つの感染ルートをどのように防いでいるのか参加者や来場者へ具体的な対策環境を目に見える形で明示することです。
既に浸透している全関係者(主催者、参加者、来場者)へのマスク着用と会場内換気の徹底は当然です。

そこに加えて、接触感染の中の「人が触れる物」への対策です。今回のコロナウイルスの特徴に感染力の強さ(ウィルスの生命力の強さ)があります。感染力がかなり長時間維持されるということがわかっています。
具体的には、手すりやドアノブをはじめ会場内で人が触れる可能性のある物(サンプルや商品を含む)を極力減らしたり、こまめな殺菌、消毒への取り組みが重要で、そのための人やオペレーションをしっかり意識徹底することが必要になります。

私は、時間と場所、そこでの多くの体験や共感で参加者や来場者へ価値を提供するイベントは、沢山の人をより幸せに導く存在であって欲しいと考えています。
現在の姿は全く想像していなかった未来の姿かもしれません。しかし人は知恵と努力の工夫で多くの困難を乗り越えてきました。今回も必ず乗り越えられると信じています。
遠くない未来、今まで以上に楽しく意味のあるイベントを作ることができるよう準備をしておきましょう。
私もその準備をしっかりと進めておこうと思います。

エンタメのチカラ⇒失敗しないイベントの作り方  
Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.107(2020年5月号)

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プロフィール

西 高一郎(にし こういちろう) 
レジリア 代表

1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して、九州内外から依頼を受ける。

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