妊活社長の健幸経営応援団 ■ 株式会社ウイッツジャパン 代表取締役 長谷川 幸二
「不妊の48%は男性側に原因がある」という事実を知ったのは8年前。頭から煙が出るのではないかというほどのヘビースモーカー、さらに仕事の付き合いを口実に毎日にように酒を飲んだりするような不健康な生活をしていました。妊娠に僕の生活習慣なんて関係ないと思っていました。むしろそんなことすらも考えていない、無知、無関心だったともいえます。
子どもがほしいと言っていた妻が検査を受け問題ないといわれました。今度は僕が検査を受けました。結果、僕に不妊の原因があることがわかりました。それから精子の数値改善のために禁煙し、亜鉛や抗酸化サプリを摂取したり、筋トレしたり、いわゆる男の妊活をはじめ、1年後に長男を授かることができました。もっと早く僕が検査を受け、妊娠、出産、妊活について、興味、関心を持っていたら。妻の負担は軽くなっていました。
男性が妊娠、出産に関心をもつことで、女性の心と体の負担が軽くなること。最近は講演などでも、「精子に無関心でも無関係ではいられない」というテーマでお話させていただいております。男性の無知・無関心によって、大切な時間やお金を無駄にしてしまっている現実は多々あります。妊娠、出産は女性にしかできないのですが、男性も無関心でも無関係はいられないこと身をもって経験しました。
実は不妊治療は、個人の問題、夫婦の問題だけではありません。職場でも、不妊治療への理解がないことで、仕事の両立に悩み、退職をした女性は4人に1人という報告があります。企業や経営者にとっても、不妊治療への無知・無関心で優秀な社員が辞めるのは相当な痛手はないでしょうか。経営者が関心を持つことで女性が働きやすい職場になり採用にも良い影響を与えたというケースも増えています。
不妊治療は4月から公的保険の適用が始まりました。お金がかかる不妊治療ですが、政治家に当事者の問題だけではなく、国の大事な問題、少子化対策だと関心を持ってもらえたこと無関係ではないと分かってもらえたことが1つの分岐点となったともいえます。
不妊治療はもちろん、多くの問題は当事者だけでなく、沢山の方が正しく関心を持つこと、声をあげることで変わります。
この原稿を書いている2022年6月下旬。不妊治療、少子化、円安、ウクライナ問題、あらゆる問題が絡み合った複雑な現代社会。政治にも無関心でも無関係はいられないと思っています。
妊活社長の健幸経営応援団 Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.133(2022年7月号)
プロフィール
長谷川 幸二(はせがわ こうじ)
株式会社ウイッツジャパン 代表取締役
1970年生まれ 2020年講師オーデションファイナリスト(全国3位)、株式会社ウイッツジャパン代表取締役 医療機関のWEB制作会社の経営の傍ら、妊活アドバイザ、福祉住環境協会理事として、子作り、子育てから介護、SDGsなど社会課題にも取り組んでいる。
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