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社長としてのスタート?  従業員を苦役列車に乗せていませんか?

ビジネス徒然草

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

読者の皆様、2022年もスタートして2か月ほど経過しました。皆様はスタートダッシュに成功されましたでしょうか。
私は仕事柄多くの経営者の皆様にお会いします。今年スタートダッシュをされている経営者もおられますがそもそも社長としての心構えができていない方もおられます。経営の重要事項は楽・優・心だと私は思っています。もちろん厳格に決まっているというよりもイメージ的なものですが。

仕事は社長にも従業員にも多くの時間を費やすものです。そこでの仕事が苦役であれば1時間も働くのは嫌でしょう。逆に楽しければやりがいのある物に変化もしていくでしょう。つまり社長の仕事のスタートは従業員の仕事が楽しいと思えるようにすることです。従業員に依頼する仕事が楽しいものでなければ従業員の方はまともに働くことは難しいでしょう。


ではこの楽しいとは本質的に何なのか?まずは社長と従業員との関係に信頼関係がなければそこにあるのは苦役だけでしょう。ここでは社長が従業員を信頼すると言う事です。また人間誰でも成長したいものです。この人間の成長に何らかの役に立つ仕事であるように持っていきたいものです。
自分の成長に役立つものであれば仕事も前向きになりやすいものだと思います。しかし、現実には従業員を苦役列車に乗せてしまっている会社が多くあります。そしてこのような会社こそ1日8時間しか働かせていないから自分の会社は良い会社だと思っているのです。日本全体が形式主義に陥り経済成長が出来なくなっている一面でもあると思いますが。

さて、このように仕事の「楽」を大事にするだけでは社長としてのスタートは切れていません。待遇が優れていないといけません。もちろん創業時にはなかなか高い給与を支払うことはできないかもしれません。しかし、本田宗一郎が藤沢武夫を迎えたときに奥様が美味しいうどんを作ってくれたそうです。戦後間もなくのことです。その心に藤沢は心打たれて世界のホンダがスタートしたのです。つまり全人間的に優れた待遇でなければならないのです。

このように「優」が備わってはじめて「心」がつながるのです。ここでの心とは部下からの心です。こうやって社長としてのスタートが切れるのではないでしょうか。
経営者としてのスタートをあなたは切っていますか?

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.129(2022年3月号)

プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表
1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)

https://anera.or.jp/



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