経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

人財育成ができれば鬼に金棒

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

みなさま。梅雨もすぐにあけ暑い日々が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。
私もいろいろな会社を見て最近は特に人材育成のむずかしさを感じます。日本全体でGDPは変わらないとしても若い労働力が不足している現状はさらに強まると思えます。そこで、逆転の発想で高齢の従業員を上手に頑張っていただく会社。あるいは若い未経験の新人をうまく育成している会社などが今後伸びていく可能性が高いと思います。そこにはシステム的なものが不可欠と前提として思います。いわゆるDX化とも言えますが効率的な人材育成の観点です。

さらに、リーダーシップのある経営者も不足しているように思えます。30年ほど前の日本的経営万歳の概念も崩れ、日本人全体が経営に自信が持てなくなってきているためです。バブルのころまでは日本人は日本的経営に自信を持ち、アメリカ的経営を対峙させて短期的な利益を追う危険性を警鐘するくらいであったと思います。今は迷路に入っています。
さらに、凄腕経営者の後継者もなかなか難しいものがあります。ソフトバンクグループの孫さん。ファーストリティリング柳井さん。日本電産永守さんなども偉大な経営者の後継はとても難しいものがあります。

根本的には日本自体が人財育成に自信を無くしている点が多いのではないかと考えています。戦後、アメリカの支援を受け、1ドル360円という中で急激に貿易立国化していった日本。そこでは働けば必ず成功できるという自信があったと思います。いわゆる日本的経営が世界的にも進んでいるという考えが出来てきたものです。その中核は終身雇用、年功序列、長期的投資、長期的人財育成にあったと思います。しかし、現在は、転職を奨励され終身雇用も概念が崩れ、日本の最も得意な長期的な人材育成についても余裕がなくなってきています。人財育成というよりもいい人材を採用するという考えが以前にも増して強くなってきています。

このような現況の中で今後はどのように進んでいくのでしょうか。
短期的にはDX化によって人材不足を解消していく流れであると思います。
中・長期的にはどうしたらいいのか考えどころだと思います。
なかなか難解な課題だと思います。

しかし、人材育成に成功した会社は日本ではもっと伸びると言う事は言えますので各社に合った人材育成方法を真剣に考えなければならないと言う事かと思います。
組織は戦略に従う。チャレンジすればノウハウもたまる。このあたりの考えがカギでしょうか。
経営者はさらなる勉強が必要と言う事だと思います。

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.134(2022年8月号)

プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表
1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)

https://anera.or.jp/

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