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歩くスピードも大事

ビジネス徒然草

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

私は仕事柄多くの会社に訪問します。勢いのある会社は違う点が多々あります。例えば従業員の歩くスピードが違います。伸びていない会社は従業員が歩く時もゆっくりしています。ゆっくりしているためにたぶん1日で10分は時間を損していると思います。従業員が100人いれば1日に1000分損しています。1年では210日労働日数があると計算すると3500時間の損です。1日の労働時間が7時間とすると500日分の損です。

つまり、歩くスピードが遅いだけでそれだけ差がつくと言う事です。歩くスピードが遅い方は他も何かゆっくりしているケースが多いものです。いわゆる一事が万事だからです。そう考えるとただ単に歩くスピードが遅いことは1つの経営の姿と感じざるを得ません。
また、このような会社こそ課題に真剣に取り組み姿勢が薄いのもよくあります。歩くスピードは些細なことかもしれません。しかし些細なことを見逃せば大きなことももっと見逃す可能性があります。
歩くスピードに似ている観点でゆっくり昼食を取っている会社もあります。もちろん休憩時間が1時間あればその時間は自由に使ってもいいというのが1つの考えです。では労働時間が1日8時間としてその時間は歩くスピードも早めてすべての時間働いているのでしょうか?
9時から始業開始であれば9時から思い切り働かなければなりません。そのためには9時前から準備が必要ですがそれはどうしているのでしょうか?労働者は本当に労働時間である8時間を全力で働いていますか?

私は労働時間を懸命に働いている会社にはめったにお会いしたことがありません。皆さんマイペースで仕事をしておられます。そこで感じるのは成果よりも時間という考え方です。8時間拘束されることにより給与が支払われるというありえない考え方が今の日本にはびこっていることを痛切に感じます。
成果に焦点を当てた人事考課制度にしなければ将来の日本は危ないといつも思います。そのスタートが歩くスピードだと思います。従業員がゆっくり歩いている会社は一事が万事ゆっくりしてビジネスチャンスを逃しやすい。その事例をたくさん見てきているのでそう感じます。

弊社を見てみてもとてもゆっくり歩いている従業員がいます。明日の弊社はとても心配な状況です。 まずは第一歩から進めたいと思います。

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.114(2020年12月号)

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プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表

1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)。

https://anera.or.jp/

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