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コロナ後とは?

ビジネス徒然草

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

皆様、新型コロナによる緊急事態宣言が解除されてきていますがいかがお過ごしでしょうか。緊急事態宣言の解除に連動してかコロナ後のビジネス社会はどうなるのかという議論やセミナーなど(オンラインセミナー)がたくさん実施されています。
そこでの視聴者もたくさん参加されているとのことですので、不安が大きいと言う事かと思います。
私もいくつか参加してみましたが、結論としましては新たな発想を得る内容はございません。

ではどうしたらいいのか?私は感染学者ではありませんが、歴史を勉強することはできます。中世ペストではなくなった方は5000万人。スペイン風邪も死者5000万人、日本でも40万人と言われています。
新型コロナは、現在世界での死者数は40万人未満と言われています。死者は比較もできないほど新型コロナが少ないです。

中世ペストの後はルネッサンスの時代の土台ができたと言われています。スペイン風邪の後は世界大恐慌の遠因になったともいわれています。現代は、疫病の恐ろしさも理解できており、すぐに都市封鎖をしている状況などから新型コロナの死者は少ないのか、もしくは、これから感染拡大するのかは不明です。
ただ、言えるのは中世のペストやスペイン風邪ほどの死者数にはならないのではないだろうかという推定が、ほぼ前提となっていることです。
秋からの感染拡大がさらに出てきたとしても死者数が5000万人にはならないであろうと言う事です。この考えを前提として、経済状況、経営状況の影響を考えてみます。

今回の新型コロナによる経済への影響について誰もきっちり分類して議論されていないと思っています。影響は大きく3つに分類できます。
①移動に関する業種。
②固定費が高い業種。
③人との接触に関する業種です。

移動に関する業種は航空、バス、タクシーなど公共交通機関に対する影響。
移動を制限しているのですから影響は大きく、これに固定費が高い会社はさらに打撃を受けています。例えば、売上が1か月に1億ある会社で経費が9000万かかり、休業により固定費比率が75%であるとしたら6300万の経費が掛かりこれがそのまま赤字になります。
影響甚大です。
固定費の高いホテルや旅館も同様に影響甚大です。人との接触に関する業種は人の生活の問題です。このように考えますと上記の3業種は国の支援なければ立ち直れません。持続化給付金などはほぼ意味がありません。自力で回復するには上記の3業種は大幅な値上げせざるをえません。

コロナ後は上記3業種は大幅な値上げをすると仮定しますとそれに対応できる会社づくりをみんなが目指すという流れになるかと思います。そうすると、

移動しない。
固定費がかからない。
人と接触しない。
という流れが進みそうです。

私は、新型コロナが今程度の影響でとどまる場合には上記の3業種の影響を受けて、
それに対応する経済になっていくと想定しています。固定費をかけない業種を想定すると日本の設備投資が減少することが想定されます。一部の業種の値上がりはインフレを呼びやすいかと思います。
そうしますと、不況下のインフレ、すなわちスタグフレーションの可能性がコロナ後の日本の姿になるのではないでしょうか。もちろんその程度はみえませんが。

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.108(2020年6月号)

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プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表

1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)。

https://anera.or.jp/

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