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ビジネス徒然草

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

私はある小さな会計事務所を経営しています。福岡と東京に事務所があり東京の情報を常に入手すべく勉強会にも参加してはいます。常に視野を広げる工夫をしなければ井の中の蛙になり発展もないと考えるからです。

私にとってある事件が過去にありました。東京のいわゆる大規模な会計事務所の経営者の方の講演が福岡であり、福岡の会計事務所の方々がその大規模会計事務所の経営者に向かって自分たちはかなり頑張っているという発言をされていたのです。その発言の真意はいろいろ考えられると思いますが、私はとても恥ずかしいと思えました。その東京の大規模会計事務所の経営者がどれだけの努力をされて事務所を大きくされてきたかの一端は知っていたからです。失礼ではありますが、話をされた福岡の会計事務所の経営者の何倍も努力されていると思います。その発言される光景を見て井の中の蛙では発展はないと確信しました。

広く経済界に目を向けてみるとトヨタの社長は社内でもマスコミ上でも常に危機感を語られています。トヨタは日本一と言っても間違いない会社ではないかと思いますがそういう会社が危機感がとてもある。それはいわゆる世間を知っている、見えているからではないかと思います。私は仕事柄多くの経営者に接しますがむしろ業績が厳しい会社には危機感が乏しい。なんとかなるだろうという雰囲気です。伸びている会社は常に危機感がある。その根底には世間を知っている。つまり視野が広いのです。

そう考えると会社の業績を伸ばすには一つの大前提があるようです。つまり視野を常に広げておかなければならないということです。視野を広げれば上には上がいることがわかり、今のままではいけないということがわかり、さらなる努力をしなければならないということにつながりやすいのではないでしょうか。

猫は半径500メートルの範囲内で一生を終えると言われています。それはそれで幸せかもですが会社を伸ばそうとされるなら視野が狭いことは致命傷です。その視野でしか物事を考えられないからです。

経営者の皆様は同視野を広げられていますか?
絶望的な気持ちを感じられたことがありますか?

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.102(2019年12月号)

プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表

1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)。

https://anera.or.jp/

コメント

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