経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

仕事は楽しいですか?

ビジネス徒然草

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

この質問は「楽しい」の定義がまず問題になると思います。マズローの欲求5段階説によりますと①生理的欲求②安全欲求③所属と愛の欲求④承認欲求⑤自己実現欲求と5つの欲求がありどんどん高度な欲求となるとされています。

楽しいとどう関係するのか。ここでの議論はあくまで仕事での議論ですので5つの欲求は絡んでいるとは思います。ただ、言えるのは仕事が楽しいとは欲求を満たす部分があるからと一応定義できるのではないかと考えています。
そして、自分の好きな部門において欲求を満たすと楽しくなりやすいと言えるのではないでしょうか。本田宗一郎の「得手に帆を上げて」という著作にも似たことが書いてあります。そこで、ここでは「楽しい」とは自分の得意な仕事の分野で欲求を満たしていくこと、と考えます。

では社長のあなたは仕事は楽しいでしょうか?社長は会社のトップであり自ら社長になったと仮定すると楽しいのでしょう。
もし社長のあなたが仕事が楽しいのなら、私の理解ではほぼすべての時間は仕事をしていると思います。なぜなら楽しいからです。そして、欲求は無限だからです。趣味も必要という声もあるでしょうがそれは仕事に役立つのならあり得るのでしょう。昔、向坂逸郎さんは記者の質問に対して、勉強しかしない、趣味はなし。と返答されたと聞いています。聞いた記者にむしろ質問したそうです。勉強がとても楽しいのになぜ趣味が必要?私は社長とはこんな感じではないでしょうか。世界一の会社を作ってもさらに先があると思いますので休まる暇はありません。

これを従業員に置き換えると、社長として従業員の方に楽しく欲求を追求できる権限と責任を与えていますか?いわゆる組織マネジメントができていますか?という事になるのではないでしょうか。社長個人が楽しくてもこれが会社となると別です。経営とは他人を持ってことをなす事だからです。従業員の方は楽しくなければ他社で楽しくしようと考えるのは当然です。人間だからです。

いろいろな立場の人間が当然います。すべての人間が楽しく働くのは幻想でしょう。しかし、楽しさ100%ではなくても80%の会社と40%の会社では欲求達成度もおのずから違ってきます。
会社全体の楽しさをどこまで達成できるかが社長の実力の大きな要素であると思っています

皆さんは楽しいですか?

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.147(2023年9月号)

プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表
1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)

https://anera.or.jp/

コメント

タイトルとURLをコピーしました