経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

楽優心・・・人の定着率を目指すには。

ビジネス徒然草

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

私は、仕事がら多くの経営者の皆様にお会いします。また、私自身も小さな会計事務所を経営しています。多くの事を書物や実践から学んできました。今日は、従業員の定着率についてです。 多くの経営者は、従業員が定着しないと悩まれています。特に、中小企業では、新卒で入社して定年まで働いていただく事はまれでしょう。大手でも最近は、定年まで1社に勤めることは率としては減ってきていると思います。

読者の皆様は、従業員300名以内の中小企業と仮定しますと、業種にもよりますが、離職率は6%から10%程度が良いのではないかと思います。もちろん、離職率0を目指すのですが現状は甘くはありません。会社がどんどん成長するとついていけなくなる従業員が一定限度います。会社に合わなくなる従業員も一定限度出ます。したがって、離職率は会社の成長と比例はしません。
しかしこのような状況の中でも、高い成長率と低い離職率を目指さなければなりません。そこで必要なのは表題の楽優心だと思います。よく心技体と言いますが反対からついてくるのが普通だと思います。つまり、体力がまず第一であり、体力がつくにつれて技術も磨かれる。そうしてやっと心が追い付いてくるのです。無事これ名馬とも言います。

会社経営ではまず第1に「楽」です。これは楽しい、楽であると言う事です。仕事が楽しいし、楽でもあり、人間関係も楽しいなどです。次に「優」です。これは給料が他よりも優れている。福利厚生も優れている。会社の場所や知名度やブランドなどが優れていると言う事です。これらがそろって、「心」つまりその会社への忠誠心が出来てくるものです。よく経営者の方々が、うちの従業員は忠誠心がないと嘆かれますが、それはあなたが「楽」「優」が出来ていないからです。

うちは大企業ではないから無理だよと言われる経営者もおられますが、「楽」「優」と努力している姿を感じ取る従業員が必ずいるはずです。努力はしないのに従業員に「心」を求めるのは虫が良すぎるものではありませんか。
人間不信とよく言いますがその前にやるべき努力をしているのだろうかといつも思います。ほとんど自戒ですが。

このように、人の定着率を上げるには「楽」「優」「心」をどれだけ真剣に考えて努力できる経営者かどうかがとても重要かと思います。そして、その努力は無限にレベルの向上を求めるものではないかと思います。
皆さんはどう思われますか?

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.118(2021年4月号)

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プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表

1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)。

https://anera.or.jp/

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