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『ちいさなこえがみらいをかえる』

絵本に学ぶ仕事術

絵本に学ぶ仕事術  ■有限会社ウーヴル 代表取締役 三宅 美穂子

組織開発とは、社員1人1人のマネジメント意識から始まる。それは、経営者や管理職だけでちいさなこえがみらいをかえるなく、現場の社員そしてパートさんに至るまで、会社の成長を自分ゴトにすることを指す。自らの仕事に価値を見出し、働いている人が組織に使われているという意識を超えるチームになることだ。
マネジメントの原則を学ぶのはそのため。そこで「誰もが自社のマネジメントに関心を持ち、課題を見える化し、改善の取り組みに参画する」ために、最もわかりやすいテキストとして絵本を用いている。

組織には特有の空気がある。それは、人材教育顧問として企業の斜めの位置から感じる、個性的な癖であり、気づきにくい習慣だ。中でも成長を阻んでいる癖=つまり課題を見えるようにして一言で表すと、面白いことにどの組織も「自主性の欠如」とか、「コミュニケーション不全」などと決まりきった言葉になる。違うのは、どのような経緯で癖が生まれたのか、存在しているのか、ということ。さらに多くの場合、この癖は管理職には馴染みすぎてるようだし、一般の社員にとって「そういうものなんだ!」と、初めからなかったことにもできるようだ。

しかし、癖に気づくことでしか、組織の成長の転換点は生まれない。変えたければ、例え厳しい意見であっても、見えたことを大切に取り扱うしくみが必要だ。慣れた環境が変わるのは都合がいいものではないかもしれない。しかし、小さな声に向き合うことは、未来を思う社員の気持ちに応えることであり「私もマネジメントして会社に貢献できている」という喜びを生み出すことになるのだから。

今月のお仕事絵本。「こんなのよくない!」小さな女の子が気づいた街のごみ置き場問題。おじいちゃんが怪我をしたのだ。そこで撤去して公園を作る声を上げる。子どもだからと軽んじられることなく、女の子の勇気ある行動と、それに耳を傾けた大人たちによって実現していく。最終ページは、印象的だ。自分の組織に重ねて絵を読むと、小さな声が未来を変えること、そして誰もが自らの意思でマネジメントに参画できるといった、全員マネジメントの理想像が見えてくる。企業はもちろん、世界の安寧も、小さな声を大切にしてほしいものだ。

ちいさなこえがみらいをかえる
作: アンドレア・ベイティー
絵: デイヴィッド・ロバーツ
訳: かとう りつこ
出版社: 絵本塾出版

「絵本に学ぶ仕事術®」   Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.130(2022年4月号)

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プロフィール

三宅 美穂子(みやけ みほこ) 
有限会社ウーヴル 代表取締役
2005年2月25日創立、翌06年3月15日同社設立。企業向け研修やキラキラ社員のプログラム(社員によるいい仕事のための自社内研修プログラム)業務改善アドバイスを手掛けている。

会社概要 - 社員研修プログラムなら、有限会社ウーヴルへ
Overview 会社概要 有限会社ウーヴルの会社概要をご紹介いたします。 代表挨拶 社名であるoeuvreと



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