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おおきくなるっていうことは

絵本に学ぶ仕事術

絵本に学ぶ仕事術  ■有限会社ウーヴル 代表取締役 三宅 美穂子

子どもが育つ。背が伸びて、服や靴のサイズが大きくなる。声を発することができ、片言から2語文。そして言語を用いて意思疎通ができるようになる。だんだんとできることが増えていく。そして、すぐに泣かない、自分の思うようにならないことも我慢できる、また、人のことを思いやれたり、自分より小さな子にやさしくなったりできるのだ。

村上康成さんの絵と、中川ひろたかさんの言葉が、おおきくなるってとってもすてきな人になることなんだよ!と伝えてくれるのが、この絵本。2015年にも一度紹介したことがある。
新卒者にとって、新しいはじまりを迎える節目となる3月。ここから、備えた知識・スキル・さまざまな体験を通して、自分をさらに成長させてくれるアルバイトとは違う「仕事」に出会う。

仕事は面白い。自分がそのまま映し出される。だから、人は仕事を通して一生成長できるのだ。もちろん外見が大きく変わるわけではない。靴のサイズもそれほどにかわらない。仕事の責任とともに変わっていくのは、人間力だろう。会社という組織の中で磨かれるのだ。
だから、最近こう思う。就職とは、どのように自分を育てるかを選ぶことではないかと。
言い換えれば企業は、幸せな人生のための生き方を仕事を通して教える責任がある。

働く人も、仕事はただ労力を提供することではなく、どんな小さな仕事でも、自ら仕事に意味加えていくことが、仕事の面白さだと気づくほうがいい。
ドラッカーの本の中に指揮者に進められて客席から演奏を聴いたクラリネット奏者の話がある。客席におりて「初めて音楽を聴いた。その後は上手に吹くことを超えて、音楽を創造するようになった。これが成長である。仕事のやり方を変えたのではない。意味を加えたのである」(非営利組織の経営より)

そうだ!成長とは、ただおおきくなるっていうことではない。生きるすべてのことに意味を見出すこと。働く時間はその中の大部分を占める重要な環境なのではないだろうか。

『おおきくなるっていうことは』
  作  : 中川 ひろたか
  絵  : 村上 康成
  出版社: 童心社



「絵本に学ぶ仕事術®」   Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.129(2022年3月号)

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プロフィール

三宅 美穂子(みやけ みほこ) 
有限会社ウーヴル 代表取締役
2005年2月25日創立、翌06年3月15日同社設立。企業向け研修やキラキラ社員のプログラム(社員によるいい仕事のための自社内研修プログラム)業務改善アドバイスを手掛けている。

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