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どうぶつせんきょ

絵本に学ぶ仕事術

絵本に学ぶ仕事術  ■有限会社ウーヴル 代表取締役 三宅 美穂子

森の王ライオンが、動物たちのライフラインである水を独り占めしてしまった。困った動物たちは民主的な方法で森のリーダーを変えようと話し合った。初の森の選挙だ。
それは、リーダーになりたいものが立候補し選挙運動をする。有権者は好きな候補者に投票するというもの。そのための選挙ルールも作った。立候補したのは、サル、ヘビ、ナマケモノ、ライオン。集会や討論会、選挙運動が始まった。

ライオンは、自分は歴代の王であり、由緒正しい血筋であると主張し、テレビ出演などで派手に自分をアピールした。
サルは、ライオンの横暴ぶりをチラシにし、討論会で他の候補者の弱みについて語り差をつけようとした。
ヘビは、森中這いまわれる自分こそがみんなのことを理解している。お約束はしないが必ず実行すると訴えた。
ナマケモノは、1人1人の声を大事にすると宣言し、多くの動物たちの意見に耳を傾けることだけに、活動のすべてを注いだ。

そして投票日。規則を破ってバナナで買収を図ったサルは失格。
当選したのはナマケモノ。「私は選挙を通して、どの動物にも、望みがあり生活があり大事にしているものがあることを学んだ。だから、みんなが森の出来事について意見を言い合える議会を作りたい。みんな一緒にゆっくりやっていこう!」と演説をした。初の大統領の誕生だ。そして森は水を取り戻した。

絵本のあとがきに子ども向けの解説がある。それは、民主主義の意味や、国・街・学校のことを誰もが当事者意識を以て考える大切さや、自分の思いを考えたことはちゃんと話し合うこと、意見が違ってもお互いを認めあい理解を深める努力をするといった内容が書かれている。

これは絵本だけの話ではない。こどもだけが学ぶことでもない。企業も同じ。役職がないから考えなくていいことはない。働く人全員が自分ゴトとマネジメント意識を以て参画し、行動しなければいい職場にはならない。絵本は不満をそのままにせず、「ならばどうする?」と考える大切さも読むことができる。

さあ、あなたは誰に1票入れますか?

『どうぶつせんきょ』
 作 :アンドレ・ホドリゲス、ラリッサ・ヒベイロ、パウラ・デスグアウド、ペドロ・マルクン
 訳 :木下 眞穂
監 修:林 大介
出版社:ほるぷ出版
発 行:2021年

「絵本に学ぶ仕事術®」   Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.132(2022年6月号)

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プロフィール

三宅 美穂子(みやけ みほこ) 
有限会社ウーヴル 代表取締役
2005年2月25日創立、翌06年3月15日同社設立。企業向け研修やキラキラ社員のプログラム(社員によるいい仕事のための自社内研修プログラム)業務改善アドバイスを手掛けている。

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