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オンラインイベントは空間創りがキモという話

エンタメのチカラ

エンタメのチカラ  ■レジリア 代表 西 高一郎

今回から2年目に入るエンタメの力。本年も引き続きよろしくお願いいます。事あるごとにオンライン配信の可能性について声を大にして叫んでいる西ですが、この記事に目を通しているあなたはどうですか?「うちには関係ないや」とか「活用の仕方がわからない」という方はちょっとだけこの先も読んでみてください。なにかヒントになってもらえたら嬉しいなと思います。
さて、僕が携わっている九州大学うみつなぎ のプロジェクトでもオンライン配信にはかなり力を入れています。2020年は状況的にオンライン配信ししか手段もありませんでした。

本当はリアルも沢山実施したい
おかげで方法は違えど活動の目的に進歩を感じるし、2021年度は新たな展開も実施できました。とはいえ今回は「配信をもっとやろうよ!」ではなく、「配信する時、僕らはこんなコト意識しているよ」編でございます。音楽ライブ、スポーツ中継、その他数多のイベント、いずれにも共通しているものがあります。その空間における「共有情報の圧倒的多さ」です。参加意思を固めてから会場入りするまでの時間と労力こそ異なりますが、会場到着後は、目にする空間、温度、音、匂い等、すべての参加者が同じ環境を五感でフルに感じ取り、同じ体験を共有します。
対して、オンライン配信のイベントは、参加意思の決定以降、各自が、リビングや自分の部屋、オフィス、公園のベンチ、車の中等の異なる環境下で、高級ヘッドセットや100円ショップのイヤホン、PCのスピーカーという異なる音質、ボリュームで参加します。当然室温もニオイも画面サイズもバラバラ。
つまり共有している要素が異常に少ないんです。
作品やコンテンツの良し悪しと別に、時間、空間、体験、この3つを共有した者同士が生み出す独特の高揚感。これが生まれないとエンタメにおけるイベント性の成功は生まれてこないんです。

TVにはお茶の間据置で昔は録画も不可という共通項が有り似て非なるもの
オンラインイベント参加者の満足度UPには、沢山のカメラでスイッチングしたり、かっこいいタイトル画面を流すことより、もっと先に考えることがあって、オンライン配信を行う際、モニターの向こう側に千差万別存在する参加者の環境を想定した上で、時間、空間、体験の共有がどのように可能かをデザインすることがとても大切です。

ちょっとしたツールを使ったり意識できていない無意識部分にはたらきかける仕掛けなど色んな手法で、共有ポイントを増やしていく。 オンラインにはオンラインの盛り上げ方があるので、その要素を確認してみて下さいねという話でした。

エンタメのチカラ  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.127(2022年1月号)

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プロフィール

西 高一郎(にし こういちろう) 
レジリア 代表
1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して、九州内外から依頼を受ける。

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