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人生一寸先は・・・・

弁理士よもやま話

弁理士よもやま話  ■加藤合同国際特許事務所 会長  加藤 久

不覚にも通風の発作が起きてしまった。じっとしていればそれほど痛くはないのだが、今度のは長い、なかなか引かない。おまけに左右の足に同時に症状が出て、立ち上がることもできない。仕事は自宅でごまかしごまかしやっているが、それでも結構影響は出ている。

思い起こせば、初めて通風の発作が起きたのは、26年前、特許事務所を創設したその年だった。はじめはなにがなんだかわからずに、足が折れたと思い、整形外科に駆け込んだ。
腫れて靴が履けずに、スリッパで裁判所に行ったこともある。びっこを引きながら、お客様周りもした。おそらく、身体に障害がある弁理士だと思われたに違いない。

尿酸値を下げる薬を飲み続ければ、発作を抑制することはできるが、一方で腎臓等へのダメージが蓄積される。

痛風の原因は体質もむろんあろうが、やはり日頃の生活習慣が一番大きいと思う。
民間療法は怖い面もあるが、できるだけ薬を飲まずに、尿酸値を下げる方法を全て試してみることにする。

通風=尿酸という構図が一般的であるが、実は尿酸は人体が作り出す唯一の抗酸化物質でビタミンCよりも強いらしい。たとえば、足になにか異物が見つかるとそれを攻撃するために尿酸が集まり、その結果炎症を起こすのであって、尿酸そのものは決して痛風の原因ではないという説がある。

遅ればせながらではあるが、日々の小さなことから始めたいと思う。まずは、体重を落とすための食生活、できるだけアルコールを飲まない。適度な運動、まえまえから友人に勧められているスポーツクラブに入り、プール歩行から始めたい。

年とともに体が自然にそのような生活を求めているのかもしれない。自然な老化、これは甘んじて受け入れるしかない。私の父は七八歳で亡くなったが、それまで、どこも痛いとこはない、内臓があるかどうかもわからないくらいだ と言っていた。なんともうらやましい。

ふと思った、経営もおなじことかもしれない。
組織がむしばまれていることがなかなかわからず、気づいたときにはもはや手遅れである。
まさに「ゆでガエル」である。これは比較的安定した企業にありがちがと思う。いつもすれすれの会社はそれなりに危機感をもってことにあたるが、長い間比較的安定した企業は、業績は落ちても、また上がる程度の認識しかなく、気づいた時には手おくれになる。

多くの歴史ある企業が、このような経緯を経て表舞台から消え去った。 身体の病気同様。目に見えないスピードでじわりじわりと進行する組織の病魔にも十分に注意しなければならない。

弁理士よもやま話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.101(2019年11月号)

プロフィール

加藤 久(かとう ひさし) 【弁理士】
加藤合同国際特許事務所  会長

1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長1954年福岡県生まれ。佐賀大学理工学部卒業後、福岡市役所に勤務。87年弁理士試験合格、94年加藤特許事務所(現:加藤合同国際特許事務所)設立。2014年「知財功労賞 特許庁長官表彰」受賞、20年会長就任。
得意な技術分野:電気、機械、情報通信、ソフトウェア、農業資材、土木建設、無機材料、日用品など。

加藤合同国際特許事務所|福岡で特許・実用新案・商標・意匠の出願は
福岡(九州)の特許事務所、加藤合同国際特許事務所では特許出願及び実用新案登録出願の代理業務や意匠登録出願、商標登録出願の代理業務を致しております。お支払いにはクレジットカードもご利用頂けます。

コメント

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