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「死ぬ間際に食べたいもの」

弁理士よもやま話

弁理士よもやま話  ■加藤合同国際特許事務所 会長  加藤 久

おいしいものを食べることは人生の喜びの1つである。豊かな人生を送る上で、決して食べ物を疎かにしない方が良い。美味しいものを食せるのは金持ちの特権ではなく、工夫次第でいくらでも美味しいものを食すことは可能である。

私が死ぬ間際に食べたいと思うのは、恐らく、恐らくではあるが、「白飯に塩のついたおにぎりと自家製の沢庵」であろう。高級なステーキや握り寿司、山海の珍味などは頭に浮かばないと思う。空腹は最高の料理人というように、腹が減った時の食べ物は、よほどまずくない限り、美味しく感じる。時間を掛けて登った山の頂上でたべる「おにぎり」のうまさは、例えようもない。
一概には言えないが、市販品は万人の味覚に合うようにしてあるからだろうが、どうも濃い味付けが多い。特に沢庵などは、とても食えたものではない。

そのようなことから、この20年程、いろんなものを自分の味覚に合うように自分で作ってきた。沢庵や白菜の漬物は無論のこと、無添加のベーコンや、蕎麦、ちりめん山椒、オニオングラタンスープ、握り寿司などにも、美味しいものが食べたいばかりに挑戦してきた。
昔ならば門外不出の秘伝などといわれていたようなレシピが、ネットを探せばいくらでも入手することができる。高い技術が要求される、そば打ちや、握り寿司なども、動画で分かり易く説明してくれるものがあり、本当に有難い時代である。
無論、出来栄えは、プロとは雲泥の差であるが、一定期間頑張れば、自分で食べる程度のものはなんでも作れるようにはなる。一方で、殆どの場合、プロトの違い、その奥深さを知らされることが多い。

この時期になると、沢庵や白菜漬けの季節である。添加物の入らない適度に乳酸発酵した本当においしく体に良いものができるので、皆さんも是非チャレンジしていただきたい。
例年沢庵づくりは、干し大根を手に入れることから始まる。有難いことに、ネットで探せば、いくらでも見つかる。ただ、地方により、その乾燥の度合いが大きく異なるので、自分好みのものを探し出さねばならない。一般に気温が高い地方が乾燥の度合いは高いようである。

仕事でもそうであるように、沢庵漬けも、焦らずに、心穏やかにしてやることが美味しい漬物をつくるためには一番重要なようである。決して焦らず、ゆったりとした気持ちで、みんなに美味しい沢庵を食べて頂こうとの思いでやらないと、なぜか美味しい沢庵ができない。焦ってやると、なぜかしらないが、乳酸発酵が進み、短期間のうちに酸っぱくなる傾向があるように感じる。
通常の沢庵漬けは、干し大根に、米ぬか、塩、砂糖、唐辛子などを混ぜて作るのであるが、今年は、米ぬかに換え、炊いた玄米と麴をまぜた「玄米麴」を使った沢庵づくりに挑戦しようと考えている。もともとは、商品にならないくず米の有効活用から考えられたもののようであるが、米ぬかより100倍美味しい、幻の沢庵漬けとも言われている。九州でも寒くなる12月上旬に漬け込んで、正月明けころからたべることができる。今から楽しみである。

もう1つこの時期に忘れてはならないのが、白菜漬けである。霜が降りる時期になると、白菜の甘さがまし、美味しい白菜漬けができる。今年は下漬けした白菜を、ぬか漬けして作ってみたいと思う。
ダイエットのために糖質制限をしている身としては、ごはんが進む美味しい漬物はまさに「毒」そのものではあるが、高給な肉や魚はやめられても、自家製漬けものと炊き立てのご飯は死ぬまでやめられそうにもない。

弁理士よもやま話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.126(2021年12月号)

プロフィール

加藤 久(かとう ひさし) 
加藤合同国際特許事務所 会長 
1954年福岡県生まれ。佐賀大学理工学部卒業後、福岡市役所に勤務。87年弁理士試験合格、
94年加藤特許事務所(現:加藤合同国際特許事務所)設立。2014年「知財功労賞 特許庁長官表彰」受賞、20年会長就任。
得意な技術分野:電気、機械、情報通信、ソフトウェア、農業資材、土木建設、無機材料、日用品など。

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