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人生最大のピンチか??(その2)

弁理士よもやま話

弁理士よもやま話  ■加藤合同国際特許事務所 会長  加藤 久

金曜日のよる天神で200名の懇親会を開催するはずが、その会場が予約されていないことが24時間前にわかったとき、一瞬ではありますが、私の頭の中は真っ白になりました。
福岡にゆかりのある「中村天風」のシンポジウムを行い、そのあと同じビルで懇親会を開催する予定だったのですが、私の確認不足で、その懇親会会場が予約されていなかったのです。お粗末としか言いようがありません。

「さあどうしよう!!!」

でも、現実は現実として受け止めなければなりません。その場から逃げ出したい気持ちもむろんありましたが、まずは何とかしようと思い、会場近くのホテルに電話をしました。当たり前ですが、200名の懇親会を前日に言われて受けるところはなかなかありません。それよりもどの会場も満員なのです。
もうこれで終わりか、万策尽きたと思ったとき、以前どこかの会議室で食材を持ち込んでパーティをしたことを思い出し、天神地区で200名が収容できる会議室に電話をしまくりました。当時は会議室に食材を持ち込んでのパーティができたのです。

考えられるすべての会議室に電話をしまくりましたが、やはりホテルと同じで、どこも満席受けてくれるところはありませんでした。
完全にあきらめかけていたところ、先に電話した1つ「天神ビル」から電話があり、「ちょうど今キャンセルがでました。先ほどの話お受けできますよ」と、まさに私にとって神の声に聞こえました。おそらく最初から開いていたのだと思いますが、そんなことはどうでも良いのです。

ところが、会場が決まっても、どこで食材と飲み物を調達するかが次の大きな課題です。困り果てていると、ここでも手を差し伸べてくれる人が現れました。「私の知り合いに、デリバリをやっている人がいるから頼んでみますよ」と。おそらくその人が尽力してくれたからでしょうが、話はすんなりと決まりました。

そのようなことがあったことは、ごく少数の人しか知らないまま、翌日シンポジウムは滞りなく、開催され、無事に終了しました。
そして、西鉄福岡駅のあるビルから天神地下街を通り、懇親会会場のある天神ビルに200名近くが歩いて移動したのです。

懇親会開催の挨拶を私がすることになっており、「実は私のミスで本来予定していた懇親会会場が予約されていないことが昨日分かり、この会場はそれから探したものです。一瞬パニックになりましたが、そのとき「天風さん」の「あわてるなどうにかなる」という声が聞こえ、なんとか開催することができました。おそらく、天風さんも福岡の地でシンポジウムを開いてくれたことを喜んでおり、その恩返しに私に試練を与えてくれたのだと思います。」とあいさつし、拍手大喝采を浴びることとなりました。

長い人生において1度とは言わずピンチは訪れるものです。その時、慌てずに対応すれば、必ず解決策は見つかると思います。一番まずいのは、慌てることです。ピンチの時こそ慌てずに、しっかりと対応することが一番大切だと思いました。別の機会に、このような言葉に出会いました「困ったことが起きたら、3秒は動くな」。なんとも含蓄のある言葉だと思いませんか。

あとピンチのときは、天風さんの「クンバハカ」も効果的です。平常心を失うような衝撃や感覚の刺激を受けた場合、まず第一に肛門を引き締め、同時に肩の力を抜いて下腹部に力を充実させるというものです。ぜひお試しください。

どんなピンチでもあとから考えると、笑い話になることも多いようです。

 完

弁理士よもやま話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.135(2022年9月号)

プロフィール

加藤 久(かとう ひさし) 
加藤合同国際特許事務所 会長 
1954年福岡県生まれ。佐賀大学理工学部卒業後、福岡市役所に勤務。87年弁理士試験合格、
94年加藤特許事務所(現:加藤合同国際特許事務所)設立。2014年「知財功労賞 特許庁長官表彰」受賞、20年会長就任。
得意な技術分野:電気、機械、情報通信、ソフトウェア、農業資材、土木建設、無機材料、日用品など。

加藤合同国際特許事務所|福岡で特許・実用新案・商標・意匠の出願は
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