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『ながーい5ふん みじかい5ふん』

絵本に学ぶ仕事術

絵本に学ぶ仕事術  ■有限会社ウーヴル 代表取締役 三宅 美穂子

1年のラスト月の絵本に学ぶ仕事術も10回目を迎える。こうして書き続けてこれたのは、よい絵本を与えてくださる不思議なめぐり合わせのお蔭様。「10年分の感謝」を以て、今月の絵本をお届けしたい。

絵本の主役は幼稚園年長くらいの男の子。彼の目線でとらえた日常にある「5ふん」について描かれている。それは「まだ5分」、「もう5分」、「たった5分」。
「ぼくは気づいた。どうやら、5分って、ぼくとパパたち大人とは違うらしい。大人の5ふんは、ぜんぜん楽しくないし、たいくつだ。待ってばかりでもうくたびれちゃうよ。こんな時のぼくの5分はすごく長い。それなのに、ぼくのための5ふんはあっという間。楽しいことは、ほんとにすぐに終わっちゃうんだ。5分ではぜんぜん足りない。それに、大人はすぐにこどもの時間を奪うんだ。だから時々、パパのお膝で最高の5ふんをもらうんだけどね」と、男の子の気持ちを想像して意訳してみた。

時間は、こどもと大人でも違う長さを持っている。それだけでなく、同じ空間で過ごしていても、時間は誰にでも一定ではない。観測者によって異なるという。
この1年やり切った!と、この時点で言える人もいるだろうし、あ~やっとこの1年が終わる!と新しい2022年を待ちわびる人もいるだろう。逆に、2021年度はまだある!と、可能性を信じて努力を続ける人もいるだろう。

私にとって、今年は絵本のプロデュースもあり、あっという間だった。そして、時間は自在であること、そして有限であることも感じる一年だった。もう1年でもあり、まだ1年という気持ちもある。
これは、コップに入った水を『もう』と捉えるか、『まだ』と捉えるかの違いを指すコップの水理論的思考だろうか。

思い出したのは、経営の父と呼ばれるp・Fドラッカーの話。「コップに『半分入っている』と『半分空である』とは、量的には同じである。だが、意味はまったく違う。とるべき行動も違う。世の中の認識が『半分入っている』から『半分空である』に変わるとき、イノベーションの機会が生まれる」(イノベーションと起業家精神より) コップを「人生時間という器」に、水を「自分の可能性」と捉えたとき、あと5ふん、まだ5ふんの感性は、同じように未来を描く力になるかもしれない。みなさんはどんな1年でしたか?

「絵本に学ぶ仕事術®」   Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.126(2021年12月号)

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プロフィール

三宅 美穂子(みやけ みほこ) 
有限会社ウーヴル 代表取締役

2005年2月25日創立、翌06年3月15日同社設立。企業向け研修やキラキラ社員のプログラム(社員によるいい仕事のための自社内研修プログラム)業務改善アドバイスを手掛けている。

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