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まるいちきゅうのまるいちにち

絵本に学ぶ仕事術

絵本に学ぶ仕事術  ■有限会社ウーヴル 代表取締役 三宅 美穂子

ロンドンのグリニッジ標準0時に合わせて始まる1月1日のまるいちにちを、安野光雅さんの呼び掛けで集まった絵本作家たちでつくられた絵本。
見開き1ページ。真ん中に安野さん自身が描く無人島(太平洋上に浮かぶ空想上の島)が横長に描かれ、その絵の上下に8つの国の3時間ごとの様子がコマ割りされている構成だ。無人島の少年が望遠鏡で世界を見渡し、その様子を伝えている。

イギリスの1月1日午前0時は日本の午前9時。女の子が晴れ着を着せてもらっている。そこから最終ページまで小さなかわいい物語が続く。アメリカは12月31日の18時。南半球にあるブラジルは12月31日の21時。そろそろ新年を迎える時間。北半球のロシアモスクワと南半球のケニアは同じ時間で、どちらも真夜中午前3時。中国は日本より1時間遅い午前8時。オーストラリアは日本より1時間早い午前10時。太平洋の無人島はお昼の12時。

地球は23.4度傾いて1日1周自転しているので、太陽の方を向いている間が昼で反対は夜。さらに、自転しながら太陽のまわりを1年かけてひと回りする。だから北半球が夏のとき南半球は冬。北半球が冬のとき南半球は夏。国ごとに時間も季節も違う。

絵本にはわざわざそうした説明はどこにもない。読み手が絵を読んで、時間や季節が違うだけでなく文化の違いを見つける。違いに「なぜ?」と疑問に思う。そして調べる。このプロセスに期待しているからだ。調べて知ることができたら学ぶことが楽しくなる。学ぶ楽しさを味わうと世界は広がっていく。これが科学絵本の面白さだ。この分野の第一人者でもある作家安野光雅さんの緻密な計算は、じっくり観察するといろんなものがみえてくるように仕組まれている。そして読む度に新しい発見がある絵本だ。

安野さんはこの絵本で、私たちはまるい地球で生きている。月も太陽もひとつしかない。この地球もたったひとつ。だから「いつまでも なかよく くらせる すばらしい 地球であることを ねがって この本をつくったのです」とこどもたちに贈っている。2023年。まるい地球が、世界が平和に仲良くありますように祈りを込めてお届けしたい。

『まるいちきゅうのまるいちにち』
 作 : 安野 光雅
 絵 : エリック・カール
出版社: 童話屋

「絵本に学ぶ仕事術®」   Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.138(2023年1月号)

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プロフィール

三宅 美穂子(みやけ みほこ) 
有限会社ウーヴル 代表取締役
2005年2月25日創立、翌06年3月15日同社設立。企業向け研修やキラキラ社員のプログラム(社員によるいい仕事のための自社内研修プログラム)業務改善アドバイスを手掛けている。

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