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「根拠のない自信」と「妙なプライド」

妊活社長の健幸経営応援団

妊活社長の健幸経営応援団  ■ 株式会社ウイッツジャパン 代表取締役   長谷川 幸二

不妊治療では、女性が多くの検査を受けて問題なしと診断されて、その後に男性が検査したら問題は男性側にあったというケースが多くあります。女性からは検査に行ってほしいといわれても嫌だと言われたて悲しい思いをしたとか、それ以前に言い出しにくいという悩みも多く寄せられます。
不妊治療においては女性の妊娠可能年齢のタイムリミットが話題になることがありますが、男性の根拠のない自信や妙なプライドや無知による「時間の浪費」が妊娠の可能性を狭めたうえに、パートナーを精神的にも肉体的に追い詰めている現実があります。

不妊の原因の半分は男性にあることがわかっています。医療技術の進歩によって人工授精や体外受精、顕微授精で良質な精子を採取することで、男性側の精子に問題があっても妊娠は可能です。
しかし、多くの男性が知らない現実があります。不妊治療の卵巣刺激や採卵など注射や薬など身体的にきつい治療や、職場への急な休みのお願いやスケジュール調整に伴う気苦労など多くは女性ばかりに負担がかかっています。男性が、早く検査をはじめ妊活に取り組むことが出来れば結果が変わる可能性が高まります。

そして日常生活でも男性ができることがあります。それは精子のミトコンドリアを元気に保つことです。ミトコンドリアとは細胞内の小器官でエネルギーを生み出す働きがあり、車のエンジンのようなものです。精子のミトコンドリア(エンジン)が元気であれば子宮にむけて元気に動くことができ受精する可能性が高くなります。精子の質が悪くなる原因は、男性ホルモン「テストステロンの減少」と「活性酸素の増加」です。実際に活性酸素を過剰に浴びると精子の奇形率が高くなります。活性酸素が発生しやすい体質になると男性不妊だけでなく糖尿病や高血圧、認知症など様々な病気を引き起こす原因にもなります。

酸化ストレスを貯めにくい体質になるには、食生活を見直し、筋トレをするといった基本的なことからでも始められます。さらには太陽を浴びてビタミンDを増やすこと、そしてストレスを貯めないこと。男性不妊においては特効薬はありませんが、精子の数や運動率に良い栄養や生活習慣も随分研究されています。コエンザイムQ10やL―カルニチン、亜鉛、セレンといった栄養素は多数の論文が発表されています。普段の生活の中で食事や運動にあわせて精子のミトコンドリアの元気に大切なこのような栄養を補うことも大切です。

妊活、不妊治療は女性だけが努力すれば結果が出るというものではありません。男女一緒に協力しあっていくことが大切なポイントとなります。男性が早期に検査に行ったり、普段から体つくりをすることは実は当たり前の事です。僕自身も経験した中で反省も込めて思うことは、妊活に限ったことではないかもしれませんが、男性が何よりも大切にしないといけないのは、パートナーの声に耳を傾けることかもしれませんね。

団  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.122(2021年8月号)

プロフィール

長谷川 幸二(はせがわ こうじ) 
株式会社ウイッツジャパン 代表取締役

1970年生まれ 2020年講師オーデションファイナリスト(全国3位)、株式会社ウイッツジャパン代表取締役 医療機関のWEB制作会社の経営の傍ら、妊活アドバイザ、福祉住環境協会理事として、子作り、子育てから介護、SDGsなど社会課題にも取り組んでいる。

https://www.aojirushop.com/

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