経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

「父より3人の子供たちへ(最終回)

弁理士よもやま話

弁理士よもやま話  ■加藤合同国際特許事務所 会長  加藤 久

そう考えると、お金も「ほどほど」が良いのかもしれない。だが、その「ほどほど」が、また実に難しい。

前にも言ったが、今の日本では、いざとなれば国が最低限の生活を保証してくれるので、お金のことで、必要以上に恐れる必要など無い。最悪死んでしまえば、この世の苦しみは全て消えてなくなるから、なおさら心配することはなにもない。
お金を大切に活用し、余力があれば、少しでも困っている人のために使うようにしたらよい。それも恩着せがましくではなく、使っていただくという謙虚な気持ちが大切である。

何かを前向きにやるためには必要最低限使い、決して浪費はせずに、人よりもむしろ慎ましい生活をして、少しでも社会に役立つことをやることだ。そうすれば、神様の銀行に無限の貯金が蓄積され、何か困ったときは、必ず神様や誰かが助けてくれるようになる。そして、神様の銀行にたまったお金には税金も一切かからず、大きな利子がついて、子々孫々に永遠に受け継がれることになる。
私やお前たちが、今こうして人並みの幸せな生活を送れるのは、自分たちの努力もだが、お爺ちゃんが、神様の銀行に貯めてくれた「利子」によるところが大きいように思う。

人生目標を明確にしても、神様はそう簡単には目標には到達させてはくれない。充実した人生とするために、いろんな試練を次から次に与えてくれる。だから、判断に迷う人生の岐路にたったときには「神様ならどうするだろう」と考えることだ。それが難しければ「お爺ちゃんならどうしただろう」と考えることだ。
小賢しい理屈は捨て去り、神様やお爺ちゃんのまねをして、神様が喜ぶように生きると、如何なる困難にも動じない安らかな心が得られるように思う。
生きると言うことは、ある意味、修行であり、多くの苦しみを味わうことでもあるが、それでも、自分の考える「自分の人生の最善のシナリオ」を明確にし、それを信じて、如何なる困難にも喜んで立ち向かい、感動の多い、幸せな人生を築いてほしい。

最後に私が考える不幸の原因について伝える。それは、自分と他の人を比較することだと思う。他人を羨み、妬むことこそ、自分を不幸にする1番の原因である。この世に生きる限り、他者との依存関係はなくならない。そうであるから、どうしても、自分と他者とを比較しようとするが、そのことが不幸をうむことになるようだ。
人と比べ、あのようになりたい、あの人よりも良い生活をしたいと思うことは、努力を産むことになるので決して悪いばかりではないが、度をすぎると、おかしな話になる。

これは、仏教でいうところの「自他合一」や「一元絶対」の境地であろう。「自他合一」「一元絶対」とは、自分と他との境をなくすこと、すべてが一体であるということだ。自分はあなたでないし、あなたは自分ではい、わかりきったことである。それを超えて、私たちのあらゆる価値判断も、愛や憎しみやその他のあらゆる感情や行動も、1つ大きな次元から見て、自分と他者が一体であることを感じることが必要なのであろう。それを追求することこそが、生きるということの意味なのかもしれない。
どのような状況であれ、自分が今置かれている立場を前向きに捉えることができれば、必ずそこには自分の居所があり、幸せな充実した人生とすることができると私は思う。

弁理士よもやま話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.122(2021年8月号)

プロフィール

加藤 久(かとう ひさし) 

加藤合同国際特許事務所 会長 

1954年福岡県生まれ。佐賀大学理工学部卒業後、福岡市役所に勤務。87年弁理士試験合格、
94年加藤特許事務所(現:加藤合同国際特許事務所)設立。2014年「知財功労賞 特許庁長官表彰」受賞、20年会長就任。

得意な技術分野:電気、機械、情報通信、ソフトウェア、農業資材、土木建設、無機材料、日用品など。

URL  https://www.kato-pat.jp/

弁理士よもやま話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.122(2021年8月号)

プロフィール

加藤 久(かとう ひさし) 
加藤合同国際特許事務所 会長 

1954年福岡県生まれ。佐賀大学理工学部卒業後、福岡市役所に勤務。87年弁理士試験合格、
94年加藤特許事務所(現:加藤合同国際特許事務所)設立。2014年「知財功労賞 特許庁長官表彰」受賞、20年会長就任。

得意な技術分野:電気、機械、情報通信、ソフトウェア、農業資材、土木建設、無機材料、日用品など。

➤ 「他の弁理士よもやま話」の記事を読む

プロフィール

加藤 久(かとう ひさし) 【弁理士】
加藤合同国際特許事務所  会長

1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長1954年福岡県生まれ。佐賀大学理工学部卒業後、福岡市役所に勤務。87年弁理士試験合格、94年加藤特許事務所(現:加藤合同国際特許事務所)設立。2014年「知財功労賞 特許庁長官表彰」受賞、20年会長就任。
得意な技術分野:電気、機械、情報通信、ソフトウェア、農業資材、土木建設、無機材料、日用品など。

加藤合同国際特許事務所|福岡で特許・実用新案・商標・意匠の出願は
福岡(九州)の特許事務所、加藤合同国際特許事務所では特許出願及び実用新案登録出願の代理業務や意匠登録出願、商標登録出願の代理業務を致しております。お支払いにはクレジットカードもご利用頂けます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました