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日本的経営? 日本人の特質?  周回遅れが当たり前

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

新型コロナウイルスがパンデミックとなり2年半くらい経ったと思います。その間の日本の対策を考えてみると日本の問題点も明らかになりそうです。そこで概略ではありますが振り返りをしてみたいと思います。
2年半ほど前の3月あたりから新型コロナウイルスが日本でも騒がれ4月に安倍政権は緊急事態宣言を出します。そのころの感染者数は1日に300人から500人です。感染ルートも不明な中、一種のパニックとして日本中騒いでいました。外国からの入国者をとにかく防げ、マスクがない、人と話をするな。などが当たり前のように議論されていました。その後、ワクチンが欧米で出始めるとまずは日本人に合わせたワクチンの検証が大切と騒ぎ、治験が遅れると今度はワクチン開発が遅いと騒ぎ、その後はワクチンの普及が遅い、それから1日何人ワクチンを打ったのかの大騒ぎでした。
コロナ発覚して2年半くらい経った今でもコロナ感染者の数や志望者の数を公表するのみといういわば一途な国でもあります。

俯瞰してみてみると何かあると必要以上にパニックになり、その後いわゆる鎖国的政策をとる。そしていったん鎖国的政策をとると今度はこれに固執して世界的にみると周回遅れの対策になる。これが日本の姿ではないでしょうか。
この考え方は日本の経営にも当然そっくりです。何か課題があるとすべてを解決しなければならないと考えてパニックになります。その考え方ではすべてを解決できない等。この発言は日本の会社では常にあります。そして対策を打たないか遅れるかします。対策を打つときは日本人の性質で徹底します。まるで何かに固執するかのように柔軟性がない会社になります。そして気が付くと周回遅れになります。これが日本の会社の一般です。現在の日本的経営の欠点とでもいうべきものです。パニックになり解決方法を考えあぐねて対策が遅くなり、その後は固執する。つまり形に固執するのです。

本来経営は外部環境、内部環境の変化に機敏に対応して手を打つべき性質です。
これが日本人は実は苦手です。形が得意だからです。
まず日本復活のためには経営は臨機応変という基本から再度身につけなければ発展は困難ではないでしょうか。ITで出遅れ、デジタル化で出遅れるのもよくわかる民族性と思います。
皆さんはどう思われますか?

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.135(2022年9月号)

プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表
1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)

https://anera.or.jp/

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