ミレニアル紀行文 ■石田眞穂
社会は理不尽な物事で溢れている。授業や部活できついことをさせるのは、社会に出てからの理不尽に耐える練習だ。理不尽に怒られて帰ってきたご子息に、そんな言葉を投げかけたことはありませんか?
確かに社会は理不尽なことで溢れていて、諦めざるを得ないことや、目を逸らすしかないこともたくさんあります。ですがZ世代以降の若者は、無意味な作業や非効率的な仕事の手順など、納得感を得られない仕事に対しては飲み込めない傾向にあります。今の時代は納得できない仕事ばかりなら転職をする、という選択肢がスタンダードになっているのもこの傾向を助長しているでしょう。
ただこれは、面倒なことを避けたいわけではありません。なんのためにこの作業が必要なのか、どう言った経緯でこの手法がこれまで社内で守られてきたのか、その理由が納得できる内容であれば素直に従うのです。
これまで規則を守ってきた上司たちは、それを疎ましいと感じるかもしれません。ですが私は、この若者が納得感を求めることによってなぜこの仕事が必要なのかを再度確認するきっかけにもなっていると感じます。実際私が働く会社でも、新卒社員の「このやり方こんな風に変えた方が良いのではないでしょうか?」という提案で実際に社内の業務フローが効率化したことも多々あります。
頭ごなしの理不尽な要求をするのではなく、理由を説明すること。明らかに非効率だと自覚していることを思い切って変えてみること。これから必要なスキルとも言えるのかもしれません。
ミレニアル紀行文 Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.150(2023年12月号)
プロフィール
石田眞穂
1996年生まれWEBライター。毎週実施していた業務報告会が、新卒の一声でドキュメントに箇条書きすればOKに変わりました。一目で誰がどんな業務をしているのかを見られるようになり、仕事の振り分けがスムーズになって最高です。
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