経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

噂話への対応でも品格を問われますよ

繁栄の法則


社長の知恵 

社長は常に見られています。
噂話への対応もそうです。自分の噂話を知人から聞かされた時の対応も見られていますよ。

噂話といっても悪い話ばかりではありません。良い話もあります。注意しなければならないのは、悪口や誤解だと思われることを言われた時です。
例えば、「Aさんが、あなたのことを約束も守らない、信頼できない人物だと言っていました」などとBさんから言われた時です。

こういう時にどんな反応をするかで、人としての器を見られることもあります。噂話を持ってきたBさんはAさんが陰口をたたいていることを心配して伝えてくれたのかもしれません。そのような場合は、その人の話を真摯に受け止め、間違っていれば正せばいいわけです。
しかし、噂話を持ち込んでくる人の中には、とにかく噂話が好きで根拠も確かめずに話す人や噂話や陰口を周りの人に発信することで自分の地位が上がると考える人もいます。

こういう人たちへの対応は、結構難しいと思います。明らかに間違っている場合は、間違いを正せばいいわけですが、そこで感情的になるのは控えましょう。その時の感情に任せてAさんの悪口や陰口を言ってしまうかもしれません。
そうすると、BさんはAの所に行って、同じようにあなたが陰口を言っていたというでしょう。場合によっては、一連の話しを関係者以外に吹聴してまわることだってあります。

では、どのように対応すべきでしょうか。
①その話題には一切触れない
②噂話を持ってきた人に対して、あなたがAさんのことを褒める。
私は②をおススメします。
あなたがAさんを、人間的にも素晴らしく、人の悪口をいうような人ではないということを事例もあげながら褒め続けるるのです。

そうすると、噂話を面白半分程度の気持ちで持ち込んできたBさんは、自分の行動を恥ずかしく思うようになるでしょう。Aさんよりもあなたの方が大人であると評価するようになるでしょうし、Aさんの言ったことよりもあなたの言葉を信じるようになるのではないでしょうか。

そして、この話がAさんに伝わると、自分は悪口を言ったのに相手は自分の悪口をいうどころか、ほめてくれたと思い、軽々しく悪口をいった自分を恥じるかもしれません。

悪口に悪口で応酬すれば、あなたへの評価はAさんと変わりません。しかし、悪口ではなく褒め言葉で返せば、あなたの評価はより高いものになるし、信用度、信頼度も高まると思われます。人の陰口は厳に慎むべきだし、自分に対する噂話も高評価に変えてしまうぐらいな対応を心掛けたいものです。

そのために必要なことは、
・様々な場面を想定しておくこと。
・そして、その場面のために対処するための方法と言葉を用意しておくこと。

だと考えます。

<プロフィール>

宇野 秀史(うの ひでふみ)  ビス・ナビ編集人
昭和40年5月生まれ、熊本県出身。熊本県立第二高校、京都産業大学経営学部卒。出版社勤務を経て、独立。2017年7月、月刊ビジネス情報誌「Bis・Navi(ビス・ナビ)」を創刊。株式会社ビジネス・コミュニケーション代表取締役。歴史の知恵、偉人や経営者が残した知恵を綴る。また、経営者の知恵を後継者に伝える、知恵の伝承にも取り組む。

著書:『トップの資質』(梓書院、共著)、『田中吉政』(梓書院、解説)、『田中の田中による田中のための本』

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