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一時払終身保険

経営者と税理士と節税

経営者と税理士と節税   ■井上税理士事務所 所長  井上 伸一

世の中では、相続対策として色んな方法が紹介されていますが、その多くの手法は次の3つのどれかに分類されます。
●評価を下げる
●元手を増やす
●生前贈与 
です。

この中の「元手を増やす」方法として、現在、売れに売れてる保険商品が、ドル建ての一時払終身保険があります。一時払終身保険は銀行の窓口でも販売されている商品なので、ご存知の方も多いと思います。ドル建ての終身保険は、アメリカの国債等を基に運用しているので、現在は高い利回りとなっており、ドル建ベースですが、20年据え置くと当初の払込保険料の2倍以上となる商品もあります。

ドル建ですので、払込時に比べ、受取時に円高になっていると損が発生する可能性もあります。保険会社にもよりますが0~90歳までの幅広い年齢の方が加入できるのが魅力です。ご高齢である場合には、年齢の要件に合わせてご自身の意思がはっきりしてることが必要です。ですから、「生きている」だけでは加入・契約はできません。ご自身で申込書に記載できることが基本的に必要です。

一時払終身の特徴は主に3つあります。
①一定期間経過後の解約は、払込保険料よりも解約返戻金が上回る。
②死亡保障として保険金を受け取る手続きが簡易。
③相続対策として有効。

また、③のメリットも主に3つあります。
ⅰ納税資金の準備
ⅱ非課税枠の利用による財産評価減
ⅲ遺産分割の対象外

簡単な手続きで保険金の受取りが可能なので、相続税の納税資金の確保にも有効です。また、前にもお話しているように生命保険金には法定相続人の数に応じて非課税枠がありますので、現金で保有してるよりも相続財産として評価減される場合があります。
本来、生命保険金は相続財産ではない(税法上はみなし相続財産となります)ので、遺産分割の対象になりません。

経営者と税理士と節税  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.150(2023年12月号)

プロフィール

井上 伸一(いのうえ しんいち) 【税理士】
井上税理士事務所 所長
昭和46年、福岡県生まれ。長崎青雲高等学校、立命館大学法学部卒業。
平成11年、税理士登録。平成23年、井上税理士事務所開業。
中小企業の経営指導のほか、企業経営者・医師等に向けて各種セミナーを行う。

URL http://www.itax.jp/

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