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コロナ禍で新たな販売方法として注目を集める冷凍食品の自動販売機市場

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Trend&News ■株式会社あさクリーン

冷凍食品を販売する自動販売機が、注目を集めている。コロナ禍に非対面、非接触で商品を購入できると人気を集めているようだ。販売する食品も様々な商品が登場し、購買意欲をかきたてている。新しい販売方法として成長を続ける冷凍食品の自動販売機市場は、今後も成長が見込まれる。自動販売機のマーケティングや立地選定、商品プロデュースまでトータルで手掛ける株式会社あさクリーン(福岡市博多区)の須藤次則社長に、冷凍食品自販機の現状と今後について話を聞いた。

須藤 次則  社長

約2年前に冷凍食品自販機ブームがはじまった

―最近、いろいろな種類の冷凍食品を販売する自動販売機(以下、自販機)を見かけるようになりましたが、これほど急激に増えた要因は何だと考えますか。
須藤 自販機は最近まで、飲料品や日用雑貨品、タバコなどを販売するものが大半で、食品自販機はカップ麺やアイス、ガム、焼きおにぎり、ハンバーガーなど限定的でした。さらに、24時間営業のコンビニが増え食品自販機は姿を消していきました。2015年の設置台数はわずか3%です。
しかし、2年程前から急激に設置台数が増えています。冷凍技術の飛躍的な向上によって、高品質で美味しい、しかも賞味期限も長い食品を提供できるようになったためです。さらに、新型コロナ問題で人々の生活スタイルが変化したことも大きな要因です。感染リスクとなる対面、接触を必要としない自販機で購入する消費者が増え、冷凍食品の自販機市場が急激に拡大し始めたといえます。

ブームのきっかけを作ったのは、約二年前にサンデン・リテールシステム(東京都)が開発した冷凍食品自販機「ど冷えもん」です。あるラーメン店が「ど冷えもん」を購入し店頭で販売すると、予想を上回る売上を上げ話題を呼びました。コロナ禍で営業自粛を強いられ、来店客の激減に苦しむ業界がこぞって「ど冷えもん」を購入、自社で製造している商品や店舗が店で提供する食品を冷凍食品として自販機に入れ販売するようになりました。

―自販機の強みは何ですか。
須藤 24時間販売ができて、無人ですから販売スタッフの人件費が要りません。また、冷凍にすると賞味期限も長くなるため、在庫リスクを低く抑えることもできます。さらに、非対面、非接触型であるということです。
自販機を設置することそのものは、それほど難しいことではありません。どのような立地に設置するか、売れるものをどうプロデュースするかが難しい。

付加価値の高い商品のプロデュース力が必要

―設置する場所はどのような環境が適していますか。
須藤 まず、人が集まる場所です。駅やコインランドリー、スポーツジムで自販機を何台も置いているような場所は売れます。飲料自販機が多い場所も好立地といえます。
郊外でも売れます。ある食品工場が敷地に設置している自販機は、1日3万円ほど売り上げています。企業の社食としての需要もあります。景気や企業業績の悪化で会社が補助を出せなくなっているところも多いことから、自販機設置の需要が高まっていますし、建設工事現場などの需要も伸びています。

―食品自販機の中身はどう変化していくと思いますか。
須藤 付加価値の高い商品を揃えることができるかが、成功の大きなポイントになると思います。例えば、世界の食べ物を集めた自販機やB級グルメを集めた自販機、国際線の飛行機で提供される機内食なども流行るかもしれませんね。
様々な種類の食品が販売されるなかで、これからの1つのモデルになると感じているのが、糟屋郡宇美町に最近オープンして注目を集めている「マイホームキッチン」です。店内に冷凍食品自販機を12台設置している冷凍食品自販機を主体とする店舗です。自販機では無添加総菜や水産加工品、うどん、カレーなど、バラエティーに富んだ約200種類もの冷凍食品を販売しており、お客さんは選ぶ楽しさも味わうことができます。
提供する商品は、同法人のグループに属する工場や店舗、障害者就労支援施設が製造しています。障害者就労支援施設は、製造だけでなく商品の補充、清掃にも携わっています。就労支援施設の1つの課題として、施設の利用者の収入を上げる取り組みが求められていますが、自販機での販売が伸びれば利用者の収入も上げることができます。利用者としても収入が増えた方が生活も楽になります。

マイホームキッチンのように、様々な種類の商品を販売する冷凍食品の自販機を集めた店舗も増えると思いますが、一方で冷凍食品以外を扱う自販機の需要も伸びると思います。例えば、ホテルは歯ブラシやせっけんを手渡ししますが、これを自販機に変えることを検討しているところもあります。朝食も自販機で提供することも可能です。

12台の自販機が並ぶ「マイホームキッチン」の店舗内。店舗中央には、工場直売コーナーも設置されている。

―自販機の中に入れる商材はどうやって仕入れるのですか。
須藤 自社で商品をお持ちの場合は、その商品を販売しますし、他の商品が必要な場合はこちらでプロデュースします。投資はしたいが食材を持たないという場合は、弊社で立地や中に入れる食材を提案します。

200種類以上の食品から商品を提供

―取扱商品のアイテム数はどのくらいありますか。
須藤 200種類以上の商品を提供できます。十分提供できるだけの数はあると思います。

―これからの販売方法として、市場はますます拡大しそうですね。
須藤 多くの方が関心を持たれています。例えば、コインランドリー、食材問屋、製造工場など、様々な業界から問い合わせがあります。最近は葬儀場からも問い合わせをいただいています。
田舎になると買い物難民の問題もあります。高齢者が買い物にいけない。スーパーを誘致するのは採算の問題もあってなかなか難しいが、自販機なら設置も手間がかからないからと。冷凍にするとフードロスの問題の解消にもつながると、スーパーなどからの問い合わせもあります。

―御社の立ち位置は。
須藤 サンデンの自販機の販売代理店です。その上で、設置場所や中に入れる商品のプロデュースやアドバイスを行います。時代が求めるビジネスの一つとして、非常に期待されていることを感じます。

法人概要

法人名  株式会社あさクリーン
住 所  福岡市博多区博多駅南4-3-3 センターいずみビル 201
設 立  平成28年5月16日
事業内容 食品自動販売機コンサルティング、食品自販機用商品の供給、
     食品自販機専用の商品開発など
URL   https://asa-clean.com/  

Trend&News  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.135(2022年9月号)

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