Trend&News ■株式会社龍クリーニング
ライフスタイルが多様化する現在、人々のニーズも変わり続けている。それに合わせて、モノやサービスを提供する企業も様々な業態を開発してきた。無人店舗の開発もこうした時代の変化に対応してきた結果、生まれて来たものである。今回の新型コロナウイルス感染拡大は、無人店舗を後押しする形となった。対面を避けたいユーザーに歓迎されたようで、無人店舗や様々な食品を販売する自動販売機の設置も加速しているようだ。
福岡、熊本で34店舗をチェーン展開する株式会社龍クリーニング(福岡県大牟田市、龍大次郎社長)は7月16日、福岡市西区姪浜駅南1丁目に新業態となる会員制の無人店舗「龍洗濯室 姪浜店」をオープンした。募集会員は300人限定。
新店舗では、24時間、誰もが安心して利用できる仕組みを作り上げているのが最大のポイントといえる。会員が洗濯物を出し、受け取るまで人と対することがない仕組みで、これを支えているのが、独自開発のシステムと強力なセキュリティ体制だ。店内に入るには、会員証を読み取り機にかざさなければドアが開かないため、会員以外は店内に入ることができない仕組みになっている。また、防犯システムを設置し、ロッカーなどシステムに異常が発生、あるいは、店内で問題が発生した場合は提携する警備会社が駆け付ける。さらに、毎日、店舗の巡回を行い会員の安全・安心を追求する。
同店のサービスを利用するには、会員登録と「入会キット」の購入(ウェブ2,500円、店舗2,000円)が必要である。入会キットには会員証、専用のランドリーバックなどが含まれている。同社サイト内の登録画面で会員登録やクレジットカードの登録を行うと、会員カードやランドリーバックなどが送られてくる。もちろん、会員登録と入会キットの購入は店頭でも可能である。
会員登録が済めば利用は簡単。店舗入口の読み取り機に会員証をかざして店内に入り、ランドリーバックに入れた洗濯物を「お預かりボックス」に入れ、タッチパネルで必要な操作を行うだけだ。洗濯物はスタッフが毎日集荷するため、仕上がりも早い。仕上がった洗濯物は、スタッフがロッカーに収納。仕上がり日や収納するロッカー番号などを同社コンシェルジュが顧客にメールで送信してくれるので、お客は、期限内に自分の好きな時間に受け取ることができる。
サービス料金を、定額料金で一定の期間を利用できるサブスク(サブスクリプションの略)を導入していることも新しい試みである。例えば、月額料金がワイシャツなら25点で8,800円から、ブラウスは10点で5,500円から。他にもスーツやコート、和装など豊富なコースを用意している。
ビジネスパーソンの中には、自宅の周辺ではなく職場近くのクリーニング店を利用する人も多い。あるいは、休みの日にまとめて洗濯物を出すために、何枚ものストックを持っているという。このような人たちは、好きな時にクリーニング店を利用できないという不満を抱えているのだ。このユーザーが感じる「不安」や「不満」といった「不」の解消は、企業にとっての大きなビジネスチャンスとなる。「龍洗濯室」は、このユーザーが抱える「不」をITを活用して解決するサービスを開発した。クリーニング業界の大きな流れになるかもしれない。
会員システムなどの詳細は、同社サイトで確認いただきたい。
「龍洗濯室 姪浜店」
福岡県福岡市⻄区姪浜駅南1-7-12
http://www.rlr.jp/index.html
会社概要
名 称 株式会社 龍クリーニング
住 所 福岡県大牟田市唐船367-1
設 立 昭和53年1月7日
代 表 龍 大次郎
事業内容 クリーニング業
拠 点 34店舗
URL http://ryu-cleaning.com/
Books Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.134(2022年8月号)
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