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縁と運がつないだ演劇界の至宝と、その舞台裏

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Books ■株式会社梓書院 取締役  前田 司

『『演劇プロデューサーという仕事 「第三舞台」「劇団☆新感線」はなぜヒットしたのか』
 細川展裕 著
 小学館 1,400円+税

2017年に開業された、世界で2番目の360度回転シアター、IHIステージアラウンド東京。
この次世代型の劇場のこけら落とし公演を担ったのが、劇団☆新感線である。

いまや公演チケットを入手するのも困難といわれる、日本を代表する劇団のひとつとなった新幹線。その人気を支えるのは、劇団の主宰で演出家のいのうえひでのり氏だが、一方で劇団がこれほど押しも押されもせぬ存在になった背景には、本書の著者である演劇プロデューサー・細川展裕氏の手腕があった。

1985年、当時急成長を遂げていた劇団・第三舞台のプロデューサーとして演劇の世界に入った著者は、時代の変化とともに、「芝居で飯が食える世界」、そして「新しい芝居のスタイル(システム)」を築き上げてきた。
「売れている人はテレビ、こだわっている人は映画、売れていない人は演劇」と言われていた80年代。その価値観はこの40年で変化を遂げ、演劇市場は今や2,000億円を超えるまでに成長した(2019年)。「テレビでは見れないもの、得られない体験」を求めて舞台に足を運ぶ人がいるのは、今も昔も変わらないかもしれない。しかし、その裏でなにが起こっていたのか。演劇人たちの楽屋にお邪魔するような楽しさを感じながら、演劇界の変化、時代の変化を感じさせてくれる一冊。

Books  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.129(2022年3月号)

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プロフィール

前田 司(まえだ つかさ) 
株式会社梓書院 取締役

福岡市出身、福岡大学人文学部卒。2009年福岡の出版社・株式会社梓書院入社、取締役部長を務める。漫画原作家。踊る編集者としてラテンダンス(カシーノ)の普及にも勤しむ。

九州・福岡の老舗出版(書籍・マンガ・電子書籍)企業:梓書院
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