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時代を動かしたテクノロジーと人類の歴史

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Books ■株式会社梓書院 取締役  前田 司

『絶対に面白い科学入門 世界史は化学でできている』
 左巻健男 著 / ダイヤモンド社 1700円+税

火。それは、人類がはじめて手にした化学である。人類の歴史は、化学との出会いから始まったと言っても過言でないかもしれない。火という化学現象へのおそれを乗り越え、利用してきた人類だったが、「燃焼」という化学現象の原理が解明されたのは、18世紀と思いのほか最近である。

一方で現代に通じる「原子論」を最初に唱えたのは、紀元前4世紀頃に生きた古代ギリシアの哲学者・デモクリトスであった。しかし、デモクリトスの原子論はその後埋もれてしまい、その正しさが認められるのは17世紀になってからである。

しかし、これら数千、数百年の間、人類はなにもしていなかった訳では、もちろんない。先人の研究を起点に自身の研究を重ね、数千数百年の時を経て、人類の英知である化学は、着実に進化を遂げてきたのだ。その進化の過程では、光も闇もあり、さまざまなドラマも生まれている。

今、我々が当たり前のように享受している化学の結晶たちは、いかにして得られたのか。化学の発展とともに、人類の歴史はどう動いてきたのか。化学の力を駆使しているかに見える人類が、その力に翻弄されているようにも思えてくる、知的好奇心が掻き立てられる一冊。

Books  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.133(2022年7月号)

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プロフィール

前田 司(まえだ つかさ) 
株式会社梓書院 取締役

福岡市出身、福岡大学人文学部卒。2009年福岡の出版社・株式会社梓書院入社、取締役部長を務める。漫画原作家。踊る編集者としてラテンダンス(カシーノ)の普及にも勤しむ。

九州・福岡の老舗出版(書籍・マンガ・電子書籍)企業:梓書院
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