社長の知恵 ■近江商人十訓
商売は信用こそが宝 その1
「資金の少なきを憂うなかれ、信用の足らざるを憂うべし」
これは、近江商人十訓の中の1文で、商売を長く続けるためには、一番大事なものは金ではなく信用であるという教えです。
店や会社を経営していれば、良い時も悪い時もあります。まさに、「禍福は糾える縄の如し」です。
経営者なら、資金が足りずに夜も寝られないという経験をされた方は多いはずです。そんな時、明日の売上を確保しようと、目先の利益にばかり意識が向いてしまい、本来の理念や事業の目的から外れた行動をとると、顧客の心が離れます。
そうなると、個人や会社の信用も失うことになってしまいます。
信用とは、お客や取引先、地域社会との約束と言い換えることができると思います。お客の期待に応える商品やサービスを提供し続ける。仕入れ先など取引先に対しては、強引な値引きを要求したり無理難題を押し付けることなく、パートナーとして尊重する。地域との交流を図り、地域との関わりを持ち地域への貢献を欠かさない。従業員に対しては、大切な仲間として存在を認める、など様々な約束があるはずです。
そうした約束を守り続けた結果として、信用を得ることができるのでしょう。
次回から、様々な場面に直面した際、どのように判断すれば良いのか。偉人達の事績などを紹介しながら、考えていきたいと思います。
<プロフィール>
宇野 秀史(うの ひでふみ) ビス・ナビ編集人
昭和40年5月生まれ、熊本県出身。熊本県立第二高校、京都産業大学経営学部卒。出版社勤務を経て、独立。2017年7月、月刊ビジネス情報誌「Bis・Navi(ビス・ナビ)」を創刊。株式会社ビジネス・コミュニケーション代表取締役。歴史の知恵、偉人や経営者が残した知恵を綴る。また、経営者の知恵を後継者に伝える、知恵の伝承にも取り組む。
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