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『みにくいおひめさま』

絵本に学ぶ仕事術

絵本に学ぶ仕事術  ■有限会社ウーヴル 代表取締役 三宅 美穂子

3回、3日、3か月、そして3年。1つのことを続けるために指標となる「3」
習慣化の数字3がマジックナンバーと言われる所以がわかる1冊をご紹介したい。

国民にも慕われる素晴らしい王様とお妃様の間で、何不自由なく、ほしいことも、やりたいことも、すべてを手に入れられる王女様がいた。エスメラルダという。その彼女には、ただ、たった1つ足りないものがある。それは、美しさ。誰の目にもあきらかで、国中がそのことを嘆いていた。顔つきに問題があったのだ。特に鼻、口、目。いつも甘やかされ、ちやほやされていたので、うぬぼれやで、見栄っ張り、眼中無人・傲岸不遜。それが顔つきとなって表れているのだ。
本人は、自分の美しさについて疑うこともなかった。しかし、八歳になった誕生日に、とうとう自分は美しくないことを知る。嘆き悲しむエスメラルダのために王様は懸賞を出す。魔法を使える者を探すために。

そこからしばらくたって、1人の女性が自分なら美しくすることができると申し出る。彼女はグットウィット夫人。そう、いい機知という名前である。その彼女が王様に提示したのは、3か月を3回の期限、エスメラルダの全てにおいて口出しせず預かることだった。そこから、夫人の5人の美しい娘たちと、新しい生活が始まる。
最初の3か月で鼻の向きが変わり、次の3か月で口元が変わる。そして最後の3か月で美しい光を放つ眼になるのだ。3か月いったい何をどうやって・・?この続きは本から読み取ってほしいが、この問いが、今月の絵本の知恵、仕事術となる。

この話は物語ではない。私のことだ。顔つきは自分で作っているのだから、変えることができるのは自分しかいない。不満そうな顔つきは不満を持った人を呼び、笑顔は笑顔を呼びこみ、優しい眼差しに人は惹きつけられて集まる。顔つきは本当に驚くほど、心そのままだ。

この話を、先月とある研修で用いてみた。ちょうど、起伏の激しいリーダーへの非難が集中していたところだった。チームの誰もが彼のことを思った。彼も自分のことだと気づいた。変わるべきは、チームメンバーの仕事ではない。自分だと、心から変わりたいという気持ちをTOPに打ち明けたという。タイミングもあったと思うが、グットウィット夫人は、私たちにも魔法をかけてくれたようだ。

あなたは自分の顔つきがすきですか?

「絵本に学ぶ仕事術®」   Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.111(2020年9月号)

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プロフィール

三宅 美穂子(みやけ みほこ) 
有限会社ウーヴル 代表取締役

2005年2月25日創立、翌06年3月15日同社設立。企業向け研修やキラキラ社員のプログラム(社員によるいい仕事のための自社内研修プログラム)業務改善アドバイスを手掛けている。

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