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一筋縄ではいかない神道の歴史を紐解く

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Books ■株式会社梓書院 取締役  前田 司

『教養としての神道 生きのびる神々』
 島薗 進 著
 東洋経済 刊 
 1800円+税

日本は無宗教の国といわれる。多くの日本人は、「宗教は?」と尋ねられ「無宗教です」と答えることになんの違和感も抱かないだろう。結婚式を教会で挙げ、正月には神社に参拝し、葬儀はお寺にお願いする……。特定の宗教にとらわれない日本人のこのような姿は、世界的には大変めずらしい姿のようだ。

しかし、「無宗教」だからといって、「無神論」ではないのも日本人の特性である。お寺や神社は生活のなかに溶け込んでいるし、日本の神々やスピリチャル的なものもカルチャーとして根強い人気を誇っている。

そんな日本人の特殊な宗教観はどのように築かれてきたかを考えるとき、神道の成り立ちと変遷を紐解くことは非常に有効なように思える。今われわれが「神道」と呼んでいるものは、いつからあったのか。いつ神道が成立したかは、研究者の間でも議論がわかれているが、それほど、神道は時代とともに変化してきた歴史ある。古代祭祀から、律令制度下の朝廷祭祀、神仏習合、吉田神道、神仏分離と国家神道、教派神道に神社神道……と、神道の歴史は複雑で奥深い。

そして本書が「ビジネスエリート必読」の教養書と銘打たれているのも興味深い。ビジネスエリートかどうかはさておき、神道史をわかりやすくまとめてくれた本書は、日本人としてもっておくべき教養を授けてくれる。

Books  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.136(2022年10月号)

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プロフィール

前田 司(まえだ つかさ) 
株式会社梓書院 取締役

福岡市出身、福岡大学人文学部卒。2009年福岡の出版社・株式会社梓書院入社、取締役部長を務める。漫画原作家。踊る編集者としてラテンダンス(カシーノ)の普及にも勤しむ。

九州・福岡の老舗出版(書籍・マンガ・電子書籍)企業:梓書院
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