社会保険労務士法人の設立で顧客支援サービスの厚みを増す

Trend&News　 ■アネーラ税理士法人

福岡を拠点に九州、東京での展開を加速するアネーラ税理士法人（福岡市、藤本周二代表社員）は昨年11月、社会保険労務士法人との統合を果たし、新たに「アネーラ社会保険労務士法人」を設立した。これによって、顧客に提供するサービスの充実をさらに推し進める形となった。また、12月には、佐賀事務所も設立。九州、東京で300人体制を目指し、着実に足場を固めている。

税理士業と社労士業は親和性が高い

―昨年11月にアネーラ社会保険労務士法人を設立されました。その経緯から聞かせてください。
藤本
税理士と社会保険労務士（以下、社労士）の業務は親和性が高いといえます。そのため、社労士部門があれば、これまで以上にお客様へのサービス向上を図ることができます。それで、以前から社労士事務所との統合を模索してきましたので、今回の社労士法人設立は、ある意味、自然な成り行きだったといえるかもしれません。
社労士法人の碇代表は、社会保険労務士法人碇人事労務センターを経営してこられ、私とは20年程のお付き合いを続けてきた関係です。年齢も同い年ですし仕事面でも、以前から雇用調整助成金の申請などお客様の手続き関係をお願いしておりました。理念や仕事ぶり、人となりについてはお互いよく理解し合っていますから、パートナーとして一緒に事業を展開するには最適だと思います。新法人は、碇代表がこれまで運営してこられた七人体制で業務にあたっています。

人事評価制度や助成金に強みを発揮

―碇代表はどのような分野を得意とされているのですか。
藤本
社労士業務全般に精通していますが、とくに人事考課制度の構築支援や助成金支援などを得意とし、福岡で長年活動してこられました。

―人事評価制度の構築と運営については、多くの中小企業経営者が腐心しているようですから、ニーズも多そうですね。ところで、これまで公認会計士事務所や税理士事務所との統合をすすめてこられ、社労士事務所との統合は今回が初めてとなります。今回はこれまでのケースと違い、福岡事務所と同じフロアに社労士法人を置かれましたが、その目的やメリットはどのようなものですか。
藤本
同じ場所で一緒にやるということが非常に大きな意味を持っています。同じフロアですから、毎日顔を合わせますし何かあったらすぐに話ができるなど、コミュニケーションを密にできます。そこが一番のメリットだと感じています。今回の統合は、お互いにとって大きなメリットがあると思います。

―今回は、福岡事務所と同じフロアに社労士法人を置いて相乗効果を図っていますが、アネーラ税理士法人としては、天神、東京、横浜にも事務所を構えていらっしゃいます。今後の展開として、他のエリアでも社労士さんとの経営統合を模索する考えですか。
藤本
まだ、具体的に考えている段階ではありませんが、先述しましたように社労士さんは親和性の高い関係にありますし、お客様へのサービスの向上にもつながりますから、自然の流れとして今回のようなケースが生まれる可能性はあると思っています。

―クライアントはどのように受け止めていますか。
藤本
反応は良いですね。さっそく、社労士に仕事を依頼したいという御客様も出ていますし、件数は順調に増えています。一緒にやっているのなら、税理士法人のスタッフと会った時に要件を伝えておけば、社労士への相談にも対応してくれるからということで歓迎してくださるケースが多いようです。今回の統合によって、改めて相乗効果が生まれる組み合わせだと感じています。

佐賀事務所を設立

―税理士法人として12月には佐賀事務所も設立されるなど、エリアの拡大も図っておられます。
藤本
私どもは、現在活動している東京、横浜といった関東と九州での展開で300人体制の構築を目指しており、今回の佐賀事務所の設立は、九州展開の一環であると位置付けています。
現在、アネーラグループとしては110人余の規模になりました。来年もこの流れの中でやっていきたいと考えています。経営統合については、いろんな事務所からご相談やご提案をいただきます。関東、九州展開の構想の中に入っている事務所さんであれば検討しますし、入っていなければお断りするようにしています。

当グループは、お客様に喜んでいただけるサービスの提供に全力を注いでいますので、それを継続するためには、我々が勉強し続けることが求められます。その思いを共有していただける事務所と一緒にやっていきたいと考えています。

―事務所のレベルアップのために、どのような学びの機会を設けているのですか。
藤本
個人として日常的に勉強すべきことに加えて、事務所でもスタッフの研修に力を入れています。昨年は、外部講師にも来ていただき能力アップの研修を行いました。

―例えば、どのような研修ですか。
藤本
先日は、京都大学大学院の教授に来ていただいて、コンサルティング能力アップのための研修を開催しました。

―コンサルティング能力を高めるにはどのようなことが必要になりますか。
藤本
発想を変えるということです。発想が変わらなければコンサルできません。発想を変えるという研修を行っていくと、結果として売上アップにつながります。

―社内のレベルアップと社労士などとの協業で、さらに高レベルのサービスを提供され、関与先の中で成長する企業が増えることを期待しています。

法人概要

会社名　　アネーラ税理士法人
代　表　　藤本周二
住　所　　福岡市中央区天神1-1-1　アクロス福岡11F
事業内容　税務顧問（法人・個人）、相続対策・相続税申告、事業承継支援・M&A、医業経営支援、
　　　　　企業再生支援、バックヤード改善・クラウド会計導入支援、公益法人・社会福祉法人支援、
　　　　　給与計算・振込手続支援、海外事業展開支援、セカンドオピニオン
事業所　　福岡事務所、天神事務所、東京事務所、横浜事務所、佐賀事務所
URL　　　　https://anera.or.jp/



Trend＆News　　Navi（ビス・ナビ）Vol.127（2022年1月号）